閉店続出!経営の神様・稲盛和夫なら「レッドオーシャンの飲食業界」をどう打開する?Photo:JIJI

筆者の愛読誌の一つである「月刊食堂」に本当によくできた特集が載っていた。その名も「この社長の独自理論がおもしろい」だ。その中に登場する経営者の中には、「経営の神様」と称された稲盛和夫氏の教えとも通底するような独自の経営理論を語る社長も登場していた。ぜひご紹介したい。(イトモス研究所所長 小倉健一)

愛読誌「月刊食堂」の特集が秀逸
飲食店の社長が独自理論を開陳

 毎号、ユニークな特集で読者を魅了する月刊誌「月刊食堂」。同誌の発売を楽しみにしているのは、飲食店業界の人間だけでないはずだ。かくいう私も非常に楽しみにしている。

 グルメ・レストラン紹介といえば、「dancyu」を筆頭に、「東京カレンダー」「おとなの週末」などの雑誌が有名だ。ただ、私のようなへそ曲がりがそこで紹介されたお店へ行くと、お店を楽しむようなことはせずに、原価計算したり、従業員の熟練度から給料を測定したり、店の賃料などを想像したりして、目の前のオーナーシェフが月額いくら収入を得ているのかを必死で計算してしまうのである。

 そんなことをしに高い金を払ってレストランへ行くのかと、自分でも反省したことがかつてあったし、グルメの人と行くとまったく話が合わず、どうにも楽しめない自分がいる。お店の人に「どこどこの港でこの魚は取れました…」と丁寧に説明を受けても、まったくそんなところに興味がない自分がいるのである。

 これって私だけなのだろうか。ビジネスパーソンであれば、そのお店のビジネスモデルを説明してくれた方が楽しめるという人は、案外多いのではないだろうか。そういうまったく料理法や食材を楽しまないタイプの飲食店好き、外食好きである私が愛読しているのが、この「月刊食堂」なのである。

 特に、「月刊食堂」2023年7月号は良かった。特集名に「この社長の独自理論がおもしろい」と題して、今流行しているチェーン店を展開する社長がたくさん登場し、それぞれが思い思いの独特な経営理論を開陳してくれるというものだ。

 その中には「経営の神様」と称された稲盛和夫氏の教えとも通底するような独自の経営理論を持つ社長も登場していた。非常に興味深いこと請け合いなので、ぜひご紹介したい。