ビッグモーター問題で信頼失墜のSOMPOが「過去最高益」、皮肉な状況の理由は?Photo:PIXTA

新型コロナウイルス禍がかなりの落ち着きを見せ、社会は少しずつ元通りになりつつある。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった問題はいまだに解消されていない。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は東京海上ホールディングス、SOMPOホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングスの「損害保険」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

損害保険3社が増収も
ビッグモーター問題で批判

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の損害保険業界の3社。対象期間は2023年2~6月期の四半期(3社はいずれも23年4~6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・東京海上ホールディングス
 増収率:12.5%(四半期の経常収益1兆8225億円)
・SOMPOホールディングス
 増収率:14.4%(四半期の経常収益1兆4495億円)
・MS&ADインシュアランスグループホールディングス
 増収率:50.5%(四半期の経常収益1兆9759億円)

 損害保険業界の主要3社はいずれも前年同期より2桁増収で、中でもMS&ADインシュアランスグループホールディングスは5割超の大幅増収となった。

 なお、3社は、中古車販売大手・ビッグモーターによる自動車保険の不正請求問題で、「なれ合い」や「癒着」を指摘され、非難を浴びている。さらに企業向けの損害保険を巡っては、損保各社が保険料を調整して不当に引き上げた談合の疑いまで浮上している。それも複数だ。損害保険業界の信頼は地に落ちたといっても過言ではない。

 しかし、ビッグモーター問題で最も信頼を失墜させた損害保険ジャパンを中核子会社とするSOMPOホールディングスが、実は純利益で過去最高益を更新している。この皮肉な状況はなぜ生まれたのか。

 損害保険業界を揺るがす2大問題における各社の状況を見ていくとともに、各社の増収率の推移を紹介する。