あるレストランにピカソが訪れたとき、ウェイターのひとりがピカソに言った。「このナプキンに何か絵を描いてもらえませんか?もちろん、お礼はします」と。
ピカソはそれに応え、30秒ほどで小さな絵を描いた。
そして、にっこりと笑って「料金は、100万円になります」と言った。
ウェイターは驚いて、「わずか30秒で描かれた絵が100万円ですか?!」と聞いた。
ピカソは、次のように答えたそうだ。
「いいえ、この絵は30秒で描かれたものではありません。40年と30秒かけて描いたものです」。
ピカソは当時、40歳だった。もちろん冗談のつもりでウェイターをからかったのだろうが、その意図は次のようなところにあったのではないか。
ひとつの物事が結実して目に見える価値(バリュー)になることは、才能と、長い歳月の努力とコミットメントの結果である。だから、目に見える結果だけを評価してはならない。それが生まれ出る原因に、目を向けなければならない。
お金とは、常に結果である。それは、長い期間をかけて価値(バリュー)を創造した結果でしかない。僕たちが目を向けるべきは、原因たる価値(バリュー)なのである。
好きなこと、やるべきことの先に使命がみつかる
使命を見つける最良の方法は、実はそれを探すことではない。先に書いたように、使命は自然に授かるものだ。僕たちがやるべきことはといえば、使命を探すこととは逆に、使命でないもの、つまり、私心・私欲(ノイズ)を濾過して、自分をニュートラル(透明)な存在に徹底していくことである。