10月10日に発生した「全国銀行データ通信システム」の送金障害は、丸2日が経過した12日朝に解消した。合計500万件に及ぶ取引に影響が出た今回の障害の背景には、金融業界とITベンダーに対して、長年指摘され続けてきた課題がある。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

全銀システムが2日間ストップ
金融庁は「報告徴求命令」発令へ

 10月10日に送金障害を起こした「全国銀行データ通信システム」(全銀システム)。全国1100以上の金融機関同士の振り込みなど資金取引を処理し、日本の決済システムで最も重要な役割を担っている。

銀行に張られたATM利用に関するお知らせ銀行に張られたATM利用に関するお知らせ=10月11日、東京都千代田区 Photo:JIJI

 送金ができないなどの影響が出たのは三菱UFJ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、山口銀行、北九州銀行、三菱UFJ信託銀行、日本カストディ銀行、もみじ銀行、商工組合中央金庫の10金融機関。件数は2日間で合計506万件に上った。

 1973年のシステム稼働以来、2日間にわたって顧客の取引に影響を及ぼす不具合が発生したのは初めてだ。前代未聞の事態に金融庁は、システムを運用する全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)に原因究明や再発防止策の報告を求める「報告徴求命令」を、近日中に出す方針だ。

 障害のきっかけは、全銀システムと各金融機関をつなぐ中継コンピューターの更改だった。10月7日から9日の3連休を使って、合計14金融機関で「RC17」から「RC23」と呼ばれる中継コンピューターへの更改作業を実施。その後10日になって、前述の10行で送金障害が発生した。

 障害が起きた背景を探っていくと、金融機関とITベンダーが長年突きつけられている積年の課題がありそうだ。次ページで解説していく。