田舎暮らしに不安は感じなかった
夢はどんどん広がる 

 商品としてのパッケージングや広報戦略など、ブランディングを担っているのは妻の玲子さんだ。

 夫婦の夢がいま、1つの形に結実した。あとは、この「Nobara Homestead Brewery」というブランドが、1人でも多くの人に愛される未来へ突き進むばかり。

地方にクラフトビールの醸造所が続々誕生、なぜ移住者でも成功できるか青木村の道の駅でも「Nobara Homestead Brewerey」のビールが売られている  Photo by S.T.

「この厩舎の一角に、飲食スペースを造ろうと計画しているんです。部屋はいくらでもありますから、行く行くはお客さんに寝泊まりしてもらうゲストハウスも設けたいですね」

 夢を語る玲子さん。中村夫妻は、田舎暮らしに対する不安はほとんど感じなかったと口を揃える。それよりも、残りの人生をいかに生き、どう働きたいのかを熟考し、自分たちがただワクワクする方向へ進んできたら、現在の理想の暮らしにたどりついた。

 そんな「Nobara Homestead Brewery」のビールを嗜みながら、筆者も自らの人生の後半戦に想いを巡らせている今日この頃である。

地方にクラフトビールの醸造所が続々誕生、なぜ移住者でも成功できるか母屋の前で。移住して幸せな日々を送っている中村さんご家族  Photo by S.T.