現在でも十分に有効な
「社会のはたらきを高める」7つのポイント

 本書の第5章では「均衡状態の世界」を描いています。「成長の限界」にいたり、システムが「負のフィードバック」回路に入ってマイナス成長を続けないように、均衡状態=定常状態の「社会のはたらきを高める」ために7つのポイントをあげています。

・廃棄物の回収、汚染の防除、不要物を再生利用するための新しい方法
・資源の枯渇の速度を減らすためのより効率のよい再循環技術
・資本の減耗率を最小にするため、製品の寿命を増加し、修復を容易にするようなよりすぐれた設計
・最も汚染の少ない動力源である太陽エネルギーを利用すること
・生態学的相互関係をより完全に理解した上で、害虫を自然的な方法で駆除する方法
・死亡率を減少させるような医療の進歩
・減少する死亡率に出生率を等しくすることをたすける避妊法の進歩
(162ページ)

 この40年前の7つの知見は、イノベーションを期待する将来の分野とも読めます。40年後の現在でも有効です。本書の寿命はまだまだ伸びるでしょう。

(次回は3月22日更新予定です。)


◇今回の書籍 2/100冊目
『成長の限界――ローマ・クラブ「人類の危機」レポート』

世界の「限界」をいち早く予測し、<br />その危機への方策を示した指針の書

人口増加や経済成長を抑制しなければ、地球と人類は、環境汚染、食糧不足など100年以内に破滅――その衝撃の警告。

D.H.メドウズ、D.L.メドウズ、J.ラーンダズ、W.W.ベアランズ三世 著
大来佐武郎 監訳

定価(本体1600円+税)

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