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メディア激動時代を読む 山口一弥

ヤフー買収劇の茶番-米メディア買収の最前線を追う

山口一弥 [前コロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員]
【第2回】 2008年2月14日
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 アメリカでこのニュースに触れたら、どう感じただろうか。マイクロソフトのヤフーへの買収提案のことである。僕がコロンビア大学に滞在した2006年夏から2007年にかけては本当にアメリカのメディア業界にとって大きなニュースが集中した。

 以下、その主なもの(下の表)だが、見て頂ければお判りのように、月に1つは大きなニュースが飛び込んできた。これに小さなネタまで含めると、大変な量だったはずだ。なぜ、アメリカではここまでメディアの買収が盛んなのだろうか。

昨秋からの米国メディアの主な動き

理由は主に

(1)株主の意向が経営に強く反映される
(2)買収資金の調達が容易である

と考えられる。

 これらは一重にメディア企業といえども、株式を上場していることの表と裏のような関係である。日本のメディアは新聞社に限っては商法特例の株式譲渡制限に基づいて上場している企業は皆無で、故にビジネスを行う上での資金調達方法は、昔からの過少資本にも関わらず、マーケットからの調達ではなく銀行融資に頼りがちなために、構造的に借金づけに陥り易い傾向がある。

 一方、アメリカは株主から得た資金を元手に買収をしてでも成長戦略を取り続けないと、経営陣は株主からノーを突き付けられてしまうという訳だ。

米国MBAには
メディア買収の授業がある

 そもそも、コロンビア・ビジネス・スクールには「Mergers and acquisitions in media(メディアにおける合併と買収)」という授業まであるのだ。担当の教官はジョナサン・ニー教授でモルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスの投資銀行部門で実際にメディア部門を担当していた方だ。

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山口一弥 [前コロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員]

立教大学卒。広告会社を経て、新聞社勤務。新聞広告、インターネット広告等の営業を担当。2006年から2007年にかけてコロンビア・ビジネス・スクール通信情報研究所客員研究員。


メディア激動時代を読む 山口一弥

インターネットは新聞・放送といった既存メディアの在り方をも変えつつある。メディアの世界で、今、何が起きようとしているのか、その最前線を追う。

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