貯金200万円で定年後に離婚…71歳おひとり様女性の幸せを支える「二つのこだわり」写真はイメージです Photo:PIXTA

健康で長く働き、定年を迎え、退職金も得れば、「人生上がり」と思いたいものですが、残念ながら、そう簡単に幸せになれるわけではありません。60代になってから、それまで以上に幸せを感じる人もいますし、幸せを感じなくなってしまう人もいます。その違いはどこにあるのでしょうか。(生活経済ジャーナリスト 柏木理佳)

70代でも幸せになる人は
満足度が上がる挑戦をしている

 立元裕子さん(仮名・現在71歳)は、パート勤務から50代で正社員になり、課長という役職について定年退職しました。一方、同い年の夫は退職金を1円も家庭に入れることはなく、全額を自分の映画制作会社の設立資金に充てたと言います。裕子さんとしては、姑の介護、看取(みと)りまでしたのに感謝もされず、経験もない映画制作に夢中になり、夢ばかり見て甘えている夫に愛想をつかしてしまったようです。結局、双方定年を迎えた後に離婚しました。

 さて、離婚当時は、貯金も200万円しかなかった裕子さんですが、今は、金銭的にも精神的にも余裕があり幸せに暮らしています。それは、簡単な二つのことを、心がけていたからでした。