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実務家のためのオプション取引入門
【第2回】 2013年3月29日
著者・コラム紹介バックナンバー
佐藤茂 [米系ヘッジファンド オプショントレーダー]

確率1000000000000000000000000分の1
に負けたヘッジファンド

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米ヘッジファンドの現役オプショントレーダーが、「オプションとは」に始まる基礎理論から、プロトレーダーの視点、そしてVIX先物までを解説する『実務家のためのオプション取引入門』。この連載では本書に収められている14のコラムから5つを紹介する。連載2回目の今日は、ノーベル賞受賞者によるヘッジファンドの破綻の顛末だ。

なぜLTCMは破綻したのか

 歴史上もっとも「有名な」ヘッジファンドは何かと聞かれれば、ほとんどの人はLTCM(Long Term Capital Management)と答えるでしょう。

 これは、1994年に元ソロモンブラザーズの債券トレーディング責任者であるジョン・メリウェザー(John Meriwether)が起こしたファンドで、マイロン・ショールズとロバート・マートンも参画者に名を連ねていました。

 彼らは、最初の数年、年40%にも及ぶ高リターンをたたき出します。しかし1998年のロシア危機が引き金となり、数カ月で46億ドルもの資金を失い、実質的な破綻に追いやられることになります。

 LTCMの破綻の最大の理由がVaR(Value at Risk)を用いたリスク管理の失敗にあると言われています。
 VaRとは「次の何日間で、何%の確率で何ドル以下の損失にとどまる」という形式で表現される値で、会社全体のリスクを把握するのに用いられる指標です。
 通常、銀行は「次の10日間で99%の確率で何ドル以下の損失にとどまるか」を計算します。この数値をもとに、必要な資本を計算するわけです。

 LTCMは、VaRを用いて、これだけあれば十分だろうという資金を求めていました。しかし、その値を決定的に低く見積もっていたのです。

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佐藤茂 [米系ヘッジファンド オプショントレーダー]

東京大学理学系研究科修士課程修了。理学修士。米系ヘッジファンドにてオプショントレーダーとなる(現職)。米証券取引所にてマーケットメーカー(常時オプションの買値と売値を提示し、取引の流動性を保証する責任を負った証券取引所指定の自己勘定トレーダー)を務めた経験も。株式、為替、債券、コモディティなどあらゆるオプションをトレードしている。 


実務家のためのオプション取引入門

オプションの基礎から実践までを網羅した解説書『実務家のためのオプション取引入門』。オプションの基礎理論からプロトレーダーの視点、VIX先物までを、現役トレーダーが説く。この連載では、14あるコラムのうち5つを順次公開。

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