佐藤優「支持率2%になっても延命できる」瀕死の岸田政権に待つ3つの混迷シナリオとは?Photo:EPA=JIJI

12月の毎日新聞の世論調査では、岸田内閣の支持率が16%、不支持率79%という衝撃の結果が出た。作家で元外交官の佐藤優氏が、これから岸田政権に起きる3つのシナリオを明かした。(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優、構成/石井謙一郎)

特捜部は逮捕者を出す構え
まだほんの序章にすぎない

 自民党の派閥パーティー券を巡る裏金の問題が、政界を揺るがしています。前号でも述べたように、特捜部の動きを見る限り、彼らは岸田政権と全面対決も辞さず徹底して戦うんだ、と腹をくくっています。

 これから家宅捜査が入ることによって、政治資金規正法違反だけでなく、明らかに犯罪だという物証の裏付けが出てきたら、逮捕者が出るでしょう。もちろん特捜部としては逮捕者を出す気構えで捜査しています。派閥パーティー券の議員へのキックバックは慣習として長く行われてきたため、まだほんの序章にすぎません。カラオケでいえば、10番まである歌の1番を歌い始めたようなものです。

 これから何が起きるのか。考えられるシナリオは三つあります。

 一つ目は自民党内において政権交代が起こるということです。前回述べましたが、現在の検察には、首相官邸とコミュニケーションを取れる人物が見当たらず、捜査の落としどころが見えてきません。この先、五つの派閥すべてに捜査が及べば、主だった議員たちは選挙の洗礼を受けるまでは総理になれません。