HOME

メタボリック

肝臓

腰痛・肩こり

高血圧・高脂欠症

うつ・ストレス

ニオイ

薄毛

老化防止

禁煙

男の病気

石井苗子 心がラクになるストレスコントロール

ストレスへの抵抗力を強くする

「嘆かないこと」がストレスコントロール

石井苗子 [東京大学客員研究員・女優・精神カウンセラー]
【第6回】

 ある日、「スーパーで豆腐と野菜と卵を買って、薬局でビタミン剤を買う」と決めて家を出たのに、薬局に着いたとたんに「何買うんだったっけ?」と、どうしても思い出せず、ビタミン剤以外の物を買って帰ってきて「あ!ビタミン剤」とガッカリする。あるいは薬局すら忘れて荷物を置いたところで「あ、薬局行くんだった!」なんてことが生活の中で2日も続くと、「もうダメ、わたし物忘れ激しくて」と嘆いていませんか。

 ストレスコントロールで一番大事なことは、嘆かないことです。これを専門用語で「嘆きからの脱却」と言います。何かに失敗したときに自分を「ダメ人間!」と、嘆くことが最もいけないとされています。嘆くことそのものがストレスだからです。自分がダメになったと嘆きを繰り返すとストレスが溜っていきます。仕事がさらに捗らなくなったり、物忘れがもっと激しくなったりと、気分もますます悪化してしまいます。

 自分を「ダメ!」と叱ることは、たるんでいるときには必要かもしれませんが、物忘れをする自分と上手く付き合いながら生きていくためには、物忘れのストレスに強くなるトレーニングが必要なのです。

 このようにストレスに対処していくことを、専門用語で「コーピング」といいますが、物忘れを例にとって、コーピングの説明をしましょう。

コーピングの訓練

 まず、嘆かないこと。

 次に、少しペースを落として、落ち着いて、やることを整理して1日にやれる量をセーブして行動することから始めます。これは脳を少し休めることにつながります。本当の物忘れと、単なる脳の疲れは、根本的に異なるものだからです。

 脳が疲れているのに、あわただしく、しかも大量の仕事をこなそうとしても、脳から指令が出てきません。どんな人でも、個人の状態に合わせて1人前は1人前の容量しかこなせないものなのですが、そこを頑張れば5人前ぐらいできるだろうと思うのは、人の勝手な空想なのです。

 物忘れをやたら嘆かない、物忘れというストレスに強くなる。これがコーピングです。やたら忙しい日が続いたら、一度落ち着く、整理する、1日の仕事量を一時セーブする、これらすべてが第4回でお話しした「振り子の紐の調整」です。

1 2 3 >>
このページの上へ

石井苗子 [東京大学客員研究員・女優・精神カウンセラー]

上智大学卒業後、同時通訳、「CBSドキュメント」初代女性キャスター等を経て、女優として映画、テレビドラマに多数出演。97年聖路加看護大学に学士入学、看護師・保健師の資格取得後、東京大学大学院に進学。2007年、医学系研究科健康科学 生物統計学疫学・予防保健学分野で博士課程を修了後、東京大学医学部客員研究員に就任。


石井苗子 心がラクになるストレスコントロール

都内の心療内科でカウンセラー修業を積んだ石井苗子が、そこで見聞きしたことや自身の経験を踏まえながらストレスコントロールの方法を易しく説く。

「石井苗子 心がラクになるストレスコントロール」

⇒バックナンバー一覧