ペンを持った手写真はイメージです Photo:PIXTA

昨今、キャリアを考える上で重要なキーワードとなっているのが、「リスキリング」だ。しかし、勉強する習慣がなく、何からどのように始めていいか分からないという人も多いだろう。会社勤めを経て、50歳で社会保険労務士の資格を取得した筆者が、自らの経験を踏まえて40~50代におすすめの「挫折しない勉強法」をお伝えする。(社会保険労務士 佐藤敦規)

40代以降の「久しぶりの勉強」
おすすめの方法とは?

 60歳過ぎても働き続ける人が大半となりつつある今、リスキリングという名目で社会人が勉強する重要性が叫ばれています。しかし、その割には実践している人が少ないように思われます。

 パーソル総合研究所が行った「APAC就業実態・成長意識調査(2019年)」で日本は、ビジネスパーソンが社外学習・自己啓発を行っていない人の割合が、アジア諸国の中で最も高いという結果が出ました。

 リスキリングが進まないのには、日本では終身雇用を前提として、会社が提供するOJTを通して技能を身に付けていく仕組みがあることも関係していると考えられます。日本企業では、職務内容を明確にして雇用契約を結ぶジョブ型雇用ではなく、雇用してから社内の状況によって仕事を割り振るメンバーシップ型雇用で働く人が大半です。将来、どんな仕事に就くのか分からないのであれば、自ら勉強する意欲は薄れます。

 しかし、近年は終身雇用の前提は崩れ、転職する人が増えました。会社が変われば、職種が同じでも求められるスキルや知識が変わってきます。転職しても、通用するスキルや知識が必要です。転職しなくても、デジタルトランスフォーメーション(DX)により、仕事の進め方が大きく変わることもあります。

 とはいえ、勉強するといっても、何から手をつけていいか分からない人が多いのではないでしょうか。そんな人には、資格試験に挑戦してみることをお勧めします。

「この年齢になって資格を取って意味がある?」と、思う人がいるかもしれません。しかし、資格試験こそ、勉強を“再開”するのに絶好の機会です。特に長らく勉強してこなかった40代以上のビジネスパーソンにとって、リスキリングの初めの一歩として最善の選択肢だと、筆者は考えます。