観光高速道路の開通で、「道の駅」的施設に課題

「Dao19ビジョン会議」に注目が集まったのは、23年12月18日に、海南省に初の観光高速道路が開通したことが影響している。

中国の起業家が「ここまで隠さずに…」と感動、日本人“道の駅”専門家の教えに聞き入ったワケ左から大塚克也氏、森本健次氏(著者提供)

 総延長距離約1000キロにわたるこの道路は、約175億元(約3652億円)をかけて建設され、海口、万寧、三亜、東方、澄邁など、海南島の沿海部の12市・県と国家開発区などをつなげた。道路沿線に「公路駅站」、つまり日本流に言えば「道の駅」のような施設を50カ所ほど建設することにはなっているが、公路駅站の運営をどうすればいいか、どこの誰に任せるべきか、悩ましい問題がたくさんあるのだ。

 ちょうどそのタイミングに、日本の道の駅の運営経験を紹介する「Dao19ビジョン会議」の全体会議が開かれるということを聞いた海南省政府関係者や道路関連の投資と運営に携わる企業関係者も大きな関心を寄せたというわけだ。

 森本氏と大塚氏の発表は、会議参加者に大きな刺激を与えた。「ここまで隠さずに道の駅の運営方法やノウハウを教えてくれる日本人の二人に感動しました。お茶を中心とした商品開発や廃校を活用する店舗の運用ノウハウは、すぐにも導入できると思います。このような会議はこれからも定期的に開催すべきです」といった感想を複数の参加者から聞いた。