部下が自ら動くチームを作れる上司と「作れない上司」、たった1つの違いは?写真はイメージです Photo:PIXTA

部下が主体的に動いてくれない――。そんな悩みを抱える管理職ほど「ある視点」が圧倒的に足りていない。その詳細と、管理職を取り巻く「課題」を分析してみよう。(キャスター取締役 石倉秀明)

意味のない前例踏襲は
思考停止と同じ

 最近、Z世代の残業時間に関する意識調査の中で「上司より先に帰ってはいけないという暗黙のルールは(Z世代にとって)古い」という調査結果を見かけた。

 調査では「Z世代は意味のない前例踏襲は避ける」という文脈も紹介されていたが、別にZ世代にかかわらずそういう人は存在する。例えば、上司がまだ会社にいるので先に帰りにくいという感覚を持ったことがある人は少なくないのではないかと思う。

 問題の本質は、そういう価値観や風習は古いと思っている人がたくさんいるのになぜ残っているかだ。

 このように、本来はそうすべきなのに前例を踏襲してそのままのやり方で仕事をしているケースは少なくない。前例踏襲というのはそれが正しいのか、他にもっといいやり方がないのかなどを考えない「思考停止状態」だといえる。主体性を持って仕事をしているとは言いにくい状況だといってもいい。

 自分の部下に主体性を持ってほしい――。こんな悩みを抱える上司は多い。業務のやり方などをどんどん改善してほしい、課題意識を持って、業務に望んでほしいと思う人がほとんどではないだろうか。

 一方で、部下が主体性を持ってどんどん仕事を進めてくれるという管理職もいる。

 実は、部下の主体性は管理職の働きかけで変わる。主体性のあるチームを作れる上司は、「ある方法」で仕事を進めている。

 主体性を持って仕事する人を育てられる上司とそうではない上司は何が違うのか。