大谷翔平に寄り添う水原一平を「いい人」と持ち上げ続けた、メディアと僕たちの“共犯関係”「いい人」水原一平氏のイメージは、どのように形作られたのか Photo:JIJI

ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の結婚発表、開幕戦前の妻公表。そんなおめでたいムードがいっぺんに吹き飛んでしまった、水原一平通訳の賭博問題とドジャースからの解雇。日本のファンからは悲鳴にも似た驚きの声が聞こえてくる。大谷選手の人気は言わずもがなだが、水原氏はその「女房役」としてファンから親しまれてきただけに失望は大きいが……。そもそも水原氏はなぜ「いい人」と評価されてきたのか。(フリーライター 鎌田和歌)

でも俺ら、水谷氏を
マスコミを通してしか知らないよね

 水原一平氏をめぐるネットの反応の中で、ふと目に止まったものがあった。

 あるユーザーが「大谷ファンなら誰でも一平さんがいい人だということは知っている」といった内容を書き込んでいたのに対して、他のユーザーが「でも俺ら、マスコミを通してしか知らないよね」と指摘していた。

 本人が望む望まないにかかわらず、テレビカメラの前に映るその人はその人の一部分であるし、放送される内容はさらにその一部分である。どのような場面が流れるかで、見る人が受け取る印象は大きく変わる。

 街頭インタビューで答えたほんの一瞬の映像がきっかけでSNSのフォロワーが爆増する、なんてこともあるが、逆にその一瞬でアウト判定を受け、炎上してしまうケースもある。どちらもその人の一部の姿でしかないのに、である。

 解雇前の水原氏は大谷選手と仲が良く、信頼されている好ましい人物と受け止められていた。けれどわずか数日の間に、その評判は変わってしまった。これまで大谷&水原ペアを好ましく眺めていたファンたちが、感情のやり場がなく困惑するのは無理もない。

 けれど、冷静になる必要がある。水原氏を「いい人」と評価してきた期待が、本人にとってプレッシャーとなった可能性だってあるだろう。