すでに475社に投資
日本でも注目度アップ
第2回で取り上げた米国スーパーエンジェル500 Startups(以下500)について、一年を経ての続報をお届けする。
500の存在感は増すばかりだ。米国外でも、その名をしばしば耳にするようになっている。500 関係のニュースがない日が珍しいほどだ。
日本でも注目が集まりつつある。今年2月に開催された「国際イノベーション会議大阪2013」では、橋下徹・大阪市長から「(500 Startups代表の)Daveさんに、大阪にもっと来てほしい」とラブコールが送られた。筆者にも「もっと知りたい」という声が多く届いている。
2010年夏に始動した500は、これまで475社以上のスタートアップに投資しており、社名でもある“500”に到達目前だ。アクセラレーター・プログラムの注目度も上昇し、800を超える応募の中から選ばれた約30社が、4月15日からの第6期に参加する予定だ。
500は20人ほどのチームで、世界にその名を轟かせているが、驚くほど小世帯だ。シリコンバレーだけでなく、ニューヨーク、メキシコ、インド、ブラジル、中国、東南アジアをカバーし、1000人のファウンダー・ネットワークと200人のメンター・ネットワークを持っている。
では、500は他のベンチャー・キャピタルやエンジェル投資家と何が違うのか? 自らをスタートアップとして大胆な実験を続ける500は、ベンチャー投資、インキュベーションの新モデルの一つとなるのか?
その理由を探ろうと、3人のパートナーに話を聞いた。
コミュニティこそが500 Startups
それを発展させ活力に変える
まず、500の強みを際立たせる「縁の下の力持ち」から取り上げよう。
事業開発(パートナー開拓とリレーション)、ならびに様々なイベント(年間20回超)を担当しているのが、クリステン・オブライエン(Christen O'Brien)氏だ。500が主催するイベントは、他のスタートアップ投資会社やインキュベーターを寄せ付けない、圧倒的なプレゼンスを誇っている。