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インキュベーションの虚と実

世界から熱い視線を注がれる500 Startups
起業家を成功に導く文化と手法とは何か【前編】

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第24回】 2013年4月8日
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すでに475社に投資
日本でも注目度アップ

第2回で取り上げた米国スーパーエンジェル500 Startups(以下500)について、一年を経ての続報をお届けする。

 500の存在感は増すばかりだ。米国外でも、その名をしばしば耳にするようになっている。500 関係のニュースがない日が珍しいほどだ。

 日本でも注目が集まりつつある。今年2月に開催された「国際イノベーション会議大阪2013」では、橋下徹・大阪市長から「(500 Startups代表の)Daveさんに、大阪にもっと来てほしい」とラブコールが送られた。筆者にも「もっと知りたい」という声が多く届いている。

 2010年夏に始動した500は、これまで475社以上のスタートアップに投資しており、社名でもある“500”に到達目前だ。アクセラレーター・プログラムの注目度も上昇し、800を超える応募の中から選ばれた約30社が、4月15日からの第6期に参加する予定だ。

 500は20人ほどのチームで、世界にその名を轟かせているが、驚くほど小世帯だ。シリコンバレーだけでなく、ニューヨーク、メキシコ、インド、ブラジル、中国、東南アジアをカバーし、1000人のファウンダー・ネットワークと200人のメンター・ネットワークを持っている。

 では、500は他のベンチャー・キャピタルやエンジェル投資家と何が違うのか? 自らをスタートアップとして大胆な実験を続ける500は、ベンチャー投資、インキュベーションの新モデルの一つとなるのか?

 その理由を探ろうと、3人のパートナーに話を聞いた。

コミュニティこそが500 Startups
それを発展させ活力に変える

 まず、500の強みを際立たせる「縁の下の力持ち」から取り上げよう。

 事業開発(パートナー開拓とリレーション)、ならびに様々なイベント(年間20回超)を担当しているのが、クリステン・オブライエン(Christen O'Brien)氏だ。500が主催するイベントは、他のスタートアップ投資会社やインキュベーターを寄せ付けない、圧倒的なプレゼンスを誇っている。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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