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インキュベーションの虚と実

米国スーパーエンジェル500 Startupsが
世界から注目される理由

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第2回】 2012年5月7日
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 「“500ファミリー”にようこそ。ここにいるみんなと家族のようにつきあって欲しい」

 4月2日のアクセラレーター・プログラム第4期のキックオフで、25社の起業家たちを前に、500 Startups代表デイブ・マクルーア(Dave McClure)が贈った言葉だ。本連載の第1回で述べたが、アクセラレーターとは、スタートアップと呼ばれる生まれて間もないベンチャー企業の育成を手助けするもので、新たなインキュベーターの一種だ。

 みなで教え合い、高め合い、そして競い合う――。こうしたシリコンバレー特有のカルチャーを強めたような人のつながりが、500 Startupsの最大の特徴だ。

 数多い米国スーパーエンジェルの中で、500 Startupsは創業2年足らずで頭抜けた存在となっている。なぜ注目されるのか、またどのような人々が、具体的に何をしているのか?(米国でのスーパーエンジェルについて詳しくは本連載第1回をご覧いただきたい。)

創業2年足らずで250社に投資
今やスーパーエンジェルの代表格

 マクルーア氏はPayPal、マイクロVC(小さな資金を提供するベンチャー・キャピタル)のファウンダーズ・ファンド、fbファンド(フェイスブックとVC2社が運営する事業立ち上げの初期段階で投資を行なうファンド)、個人投資家を経て、2010年夏に500 Startupsを始動した。それ以来、精力的な活動を続けている。

 500 Startupsは、マイクロVCと、スタートアップ・アクセラレーター・プログラムを提供するインキュベーターの性格を併せ持つ。有望なスタートアップには、事業を立ち上げた初期であるシード段階で投資するほか、それ以降の資金調達ラウンドにも投資している。

 著名なエンジェルなどから一号ファンドに約2900万ドルを集め、253社(2011年末時点)に投資を実行した。投資先はネットを活用する分野に集中し、Eコマース、モバイル/タブレット、ファイナンス/決済、ファミリー/教育、ヘルスケア/フード、中小企業向け、インターナショナル/言語などのスタートアップに投資している。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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