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ピカソの秘密
【第16回】 2013年4月11日
著者・コラム紹介バックナンバー
山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]

自由に生きている人ほど成功して見えるのは
デフレが原因。今後は「大組織モデル」も復活する!
ゲスト:松本大・マネックス証券代表取締役社長CEO[前編]

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お金は「天下の回り物」。そう考えれば全体の流れがよく見える

山口 松本さんは「波」という言葉をよくお使いになりますが、お金に関しても「意識の波」という表現をされていますね。お金については、ほかにも「社会財」「社会の議決権」などという言葉で表現されていますが、改めて、お金をどのように捉えていらっしゃるか伺えませんか。ご発言から拝察するに、「お金はいつも流れている。それでいいんじゃないか」という考え方をお持ちのように感じます。

松本 お金は「天下の回りもの」ですよね。私が初めてそう思ったのは、19歳のときでした。

山口 19歳ですか?会社に入る前ですね。

松本 お金は天下の回りものだと考えれば、気が楽になります。実際にそれで僕はお金の呪縛から解かれましたから。そう考えたほうが、お金の流れはよく見えるようになります。「傍目八目」という言葉がありますよね。お金にばかり執着していると、全体の流れは見えないと思うんですよ。

山口 それは、ご著書に書かれているお友だちのお母さまが「ちょっとアメリカに行ってきなさいよ」とお金を出してくださったことがきっかけですか。

松本 そうです。それ以前と以後のお金に対する考え方の変化は、現在の水準を100%とすると、60%から70%ぐらいはその瞬間に起こりました。自分の中でメジャー・レボリューションが起きたんですね。

山口 僕は自分の価値観がお金に縛られていると思っていて、だからこそお金とは何か、ずっと考えてきました。ちょうど松本さんが1999年にマネックス証券を起業されたころ、社会人になりたてだった僕は、自分の人生の可能性を制限するものとしてお金を捉え、性と同じように不浄のものと考えていたんですね。そんなときに、松本さんが「マネックス」という言葉をサラッと使われた。衝撃でしたね。この人はお金に縛られていない、自由な人なんだと。そんな松本さんは、お金以外で何か縛られているものがありますか。

松本 縛られてないですねえ(笑)。僕は『お金という人生の呪縛について』という本のあとがきに、こんなことを書いています。

 「そもそも自分という存在は社会のなかの一現象であり、実験的な研究材料を提供しているようなものです。そう考えると気が楽になり、しがらみから解放され、肩から力が抜けて自然体となり―」

 結局「どこまで行きたい」「何かになりたい」「これだけ欲しい」と考えてしまうと、それとの対比で「できていない自分」に対して不安になったり焦燥感に駆られたりしてしまいます。あるいは、目標があると他人とつい比べて「自分はこれだけやったけど、あの人のほうがもっとすごい」と正当な評価ができなくなってしまいます。僕は「どこまで行きたい」「何になりたい」というゴール・セッティングがない人間なんです。

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山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]

早稲田大学政治経済学部卒。1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業した。企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供、2010年に同事業を売却後、12年に買い戻した。現在は、コンサルティングなど複数の事業・会社を運営する傍ら、執筆・講演を行う。専門は貨幣論・情報化社会論。著書に『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』(ランダムハウス講談社)』『企業分析力養成講座(日本実業出版社)』『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか(アスキー・メディアワークス)』。
ブルーマーリンパートナーズ 公式サイト http://www.bluemarl.in/
Twitterアカウント http://twitter.com/yamaguchiyohei

 


ピカソの秘密

将来の「正解」が見通せない今、誰もが、ぼんやりとした不安を抱えています。その大きな原因は「変化が重なり、先が読めないこと」。なかでも、グローバル化やIT化によって最も変化したもののひとつが、金融、「お金」のあり方です。本連載では、「お金」の変化を整理し、これからの世の中で幸せをつかみ、経済的に生き抜いていくための考え方や行動様式について、先達?ピカソにも倣いながら紹介していきます。

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