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ピカソの秘密
【第16回】 2013年4月11日
著者・コラム紹介バックナンバー
山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]

自由に生きている人ほど成功して見えるのは
デフレが原因。今後は「大組織モデル」も復活する!
ゲスト:松本大・マネックス証券代表取締役社長CEO[前編]

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束縛から解放されて自由になること。それは決して楽なことではない

山口 友人で、僕の会社の取締役でもある藤沢烈くんは「常にフローで生きたい」と言っています。どんなにお金が手に入る可能性があったとしても、自分は毎日起こる現実を目の前にして、その瞬間を生きたいと。

松本 ご本人にお聞きしてみないとわかりませんが、大筋では僕の考えも似ているかもしれませんね。

 僕が気になるのは「自分のキャパシティや出力に対して、100%出し切っているか、120%出すことができたのか」ということに尽きます。瞬間々々の生き方が自分のキャパシティに対して最低100%で、かつ、過去からの累積でも100%を超えているか。その積み重ねが僕の人生の羅針盤なので、世間一般に多いタイプではないかもしれません。

山口 なるほど。

松本 自分は他人にはなれません。他人と比較しても仕方がない。だから、僕は「自分ができたはずのことができていたか」を重視します。相手は他人ではなく自分。端から見ると束縛されていないように見えますが、自分が相手というのは、そんなに楽なことではないですよね。

山口 かつては、社会に従属する人が伸びた時代が続きました。しかし、最近は松本さんのように自分の基準で自由に生きている人ほど成功しているように見えます。お金の流れと同じように、自分の状態やキャパシティを俯瞰して客観化できないと成功は難しいと思うんです。松本さんは、どこに「自分」をどう相対化しているのですか。

松本 いや、別にそんなに遠くにいるわけではないですよ(笑)。

 それよりも気になるのは「自由に生きている人ほど成功している」という話です。もちろん、一人ひとりを見るとそういう事例もあると思いますが、現象として増えているのだとしたら、僕はデフレが原因だと思いますね。

 右肩上がりのモデルにおいては、成長する大きい組織に入って、その中の階段を昇っていくのが手っ取り早い成功への道です。ところが、デフレで成長のない時代になると、組織に所属していても、昇っていくことができません。成功するには独力で跳び上がるしかない。でも、跳ぼうとしたときに、組織というしがらみが邪魔になって跳べないんですね。それより自由に跳べる状態にある人のほうが上に行けるので、自由な人ほど成功する現象が増えたように見えるんじゃないですか。これから国全体がインフレになって成長できるようになると、再び大組織モデルが復活してくると思いますよ。

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山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]

早稲田大学政治経済学部卒。1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業した。企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供、2010年に同事業を売却後、12年に買い戻した。現在は、コンサルティングなど複数の事業・会社を運営する傍ら、執筆・講演を行う。専門は貨幣論・情報化社会論。著書に『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』(ランダムハウス講談社)』『企業分析力養成講座(日本実業出版社)』『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか(アスキー・メディアワークス)』。
ブルーマーリンパートナーズ 公式サイト http://www.bluemarl.in/
Twitterアカウント http://twitter.com/yamaguchiyohei

 


ピカソの秘密

将来の「正解」が見通せない今、誰もが、ぼんやりとした不安を抱えています。その大きな原因は「変化が重なり、先が読めないこと」。なかでも、グローバル化やIT化によって最も変化したもののひとつが、金融、「お金」のあり方です。本連載では、「お金」の変化を整理し、これからの世の中で幸せをつかみ、経済的に生き抜いていくための考え方や行動様式について、先達?ピカソにも倣いながら紹介していきます。

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