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不機嫌な就活 辻太一朗

大手企業が「大学の成績」を選考で使えば
日本の大学生は勉強するようになる!

辻太一朗 [大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会(DSS)代表]
【最終回】 2013年4月17日
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 昨年の10月より、現在の日本の就活にかかわる様々な「不機嫌な現象」を説明してきました。それでは、現在のような学生にとってあまりにも無駄や理不尽なことが多い就活の問題は、どうすれば解消できるでしょうか?

大学の成績が役に立たない!
それこそが「負のスパイラル」の原因

 一般的には、こうした事態に陥っている原因として「企業が悪い」と言われたり、「大学が悪い」と言われたりする場合があります。しかし、それは間違いです。日本の就活にかかわる仕組みは、大学生にとって“不機嫌”であると同時に、企業にとっても、大学にとっても“不機嫌”なのです。そして、このようなおかしな状況が何十年も続いているのが現状です。

 これらの“不機嫌な状況”を作っているのが第2回でお話しした「大学教育と就職活動の間に起こっている負のスパイラル」になります。

 では、改めて「負のスパイラル」について簡単に説明しましょう。

 企業は、大学の成績を採用選考時に参考にしない。それによって、大学生は簡単に単位の取れる授業を選択し、その余った時間を課外活動に費やすほうが、メリットがある。そうすると教育に真剣な大学教員より、適当な授業で簡単に単位を出す授業をする教員の方が学生に人気が出やすい。その結果、授業の質は下がる傾向になり、より成績は企業にとって参考にならない。大学の成績が参考にならないので、企業はまず多くの応募者を集めて、独自のテストや面接に力を入れる必要がある。独自のテストや面接をクリアするために、学生はより課外活動に力を入れる――。

 このような流れになっています。詳しくは、第2回をご覧ください。

 では、なぜこの「負のスパイラル」は起こるのでしょうか?

 元凶になっているのは、「社会全体の大学の成績に対する期待感の低さ、信頼感の欠如」です。企業は、大学の成績を信頼していないから参考にしない。学生は、大学の成績を上げても何も得をしないため、成績に対する期待感が低い。大学教員も厳正に成績を評価する必要性を感じていない。

 このように当事者三者、もっと言えば社会全体の大学成績に対する信頼感のなさが、「負のスパイラル」を起こし続けています。

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辻太一朗 [大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会(DSS)代表]

1984年に京都大学を卒業後、(株)リクルートに入社。人事部で採用活動を担当し、延1万人を超える学生を面接する。その後、採用コンサルティング&アウトソーシングを事業内容とする(株)アイジャストを設立。毎年100社以上の採用コンサルティングを手がける。2006年にリンクアンドモチベーションとの資本提携後、同社の役員を兼務。2010年にグロウスアイを設立し、企業・教育機関へのコンサルティング、就業力を高めるコンサルティングを展開。2011年、NPO法人「大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会」を設立。著書に「面接官の本音シリーズ」、「採用力のある面接」、「就活革命」、「辻式 就職面接内定メソッド」などがある。「カンブリア宮殿」などの報道番組の出演経験あり。


不機嫌な就活 辻太一朗

学生が「就職難」にあえぐ昨今。企業側は「よい学生がいない」と嘆いている。このように学生と企業がすれ違うのは、学生の質の低下だけが理由ではない。「就職活動」そのものに問題があるためだ。この連載では、学生・企業・大学の三者の間で起こる就職活動にまつわる勘違い、ねじれを指摘していく。 

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