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ボストン爆弾事件で米国土安保省は赤っ恥
アメリカ社会は再び対テロモードに逆戻りか
――ジャーナリスト・仲野博文

仲野博文 [ジャーナリスト]
2013年4月21日
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世界で最も伝統のあるスポーツ大会の1つとして、アメリカ国内外から多くのランナーが集うボストン・マラソンで発生した爆弾事件。平和な町を襲ったテロから何が見えたのか?ボストン市民やテロの専門家、メディア関係者に話を聞いた。(取材・文/ジャーナリスト 仲野博文)

なかの・ひろふみ
甲南大学卒業、米エマーソン大学でジャーナリズムの修士号を取得。ワシントンDCで日本の報道機関に勤務後、フリーに転身。2007年冬まで、日本のメディアに向けてアメリカの様々な情報を発信する。08年より東京を拠点にジャーナリストとしての活動を開始。アメリカや西ヨーロッパの軍事・犯罪・人種問題を得意とする。

 「本当に長い1週間だった――」

 ボストン・マラソン爆弾事件の容疑者が拘束された後、ボストンに住む筆者の友人は、そうメールに書いてきた。心の底から安心し、恐怖と緊張から解き放たれた気持ちが、短いメールの文面から読み取れた。

 そして、これは筆者の友人だけが感じたことではなかった。その証拠に事件解決後、ボストン近郊のウォータータウンでは、街の目抜き通りを何千人もの市民が埋め尽くし、事件解決を路上で祝福していたのだ。

 それはまるで、地元球団のボストン・レッドソックスがワールドシリーズで優勝した時のようなもので、ボストンではこれまで地元のスポーツチームが優勝した際にしか見られない光景だった。

恐怖と不安に支配された5日間
2つの事件が繋がり一気に解決へ

 ここでボストン・マラソン爆弾事件の発生から解決までの流れを簡単に振り返っておきたい。

ゴール付近での最初の爆発の瞬間を捉えた映像より Photo:Dan Lampariello/REUTERS/AFLO

 4月15日の午後にボストンの中心部コープリー広場近くで爆発が2度発生。この日は世界で最も古いスポーツイベントの1つとしても知られるボストン・マラソンの開催日で、事件現場の近くにマラソンのゴールが設置されていたため、事件発生当時は多くの観衆がゴールするランナーに声援を送っていた。

 8歳の子どもや留学生を含む3人が死亡し、負傷者の数は180人を超えた。周辺に高級ホテルや有名ブランド店が並ぶ、東京で言えば銀座や青山のようなエリアで発生した突然の爆弾テロ事件に、周囲は騒然となった。犯行には圧力鍋を用いた手製の爆弾が用いられたことが後に判明している。

 地元警察やFBIはすぐに捜査を開始。事件現場周辺でスマートフォンやカメラで写真や動画を撮影していた市民に対して、「どんな写真でも事件解決の糸口になる可能性はあるので、とにかく持っている写真や動画を送ってほしい」と異例の呼びかけを行うなど、犯人逮捕に使える手は何でも使う姿勢を見せていた。

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仲野博文 [ジャーナリスト]

甲南大学卒業、米エマーソン大学でジャーナリズムの修士号を取得。ワシントンDCで日本の報道機関に勤務後、フリーに転身。2007年冬まで、日本のメディアに向けてアメリカの様々な情報を発信する。08年より東京を拠点にジャーナリストとしての活動を開始。アメリカや西ヨーロッパの軍事・犯罪・人種問題を得意とする。ツイッター:twitter.com/hirofuminakano

 


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