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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントたるものは
自らの打率を知り上げていかねばならない

上田惇生
【第328回】 2013年4月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
【絶版】

 「事業の将来は、投資、人事、イノベーション、戦略についての、今日のマネジメントの仕事ぶりによって左右される。しかもこの4つの分野において、打率を測定することは可能である。マネジメントは自らの打率を知ることによって、それを向上させることができる」(『乱気流時代の経営』)

 第一に、投資については、ほとんどの企業が、決定権をトップマネジメントに留保し、きめ細かく手順を決め、時間をかけて検討を行なっている。ところが決定後のことについては、注意を払わない。そもそも投資後のことについては、知りえようさえなくなっている。

 実行の遅れや資金の不足には気がつく。しかし、工場が稼働した後の業績については、計画との比較において評価を行なっていない。つまり、投資の打率を測定していないことになる。

 第二に、人事が究極のマネジメントであることは誰もが知っている。あらゆる意思決定がなんらかの問題に直面する。今日行なう意思決定が成功するか否かは、明日のマネジメントの能力次第である。つまり、今日の人事次第である。

 しかし、人事の適切さは知りえようがなくなっている。そのため人事の打率を測定していない。

 しかも、人事を優れたものにするのはフォローアップである。このフォローアップのためにも、人事の打率は、常時測定していかなければならない。

 第三に、イノベーションのための活動の成果は予測不能とされている。しかし現実に、イノベーションに優れた企業がある一方において、同業他社の後を追うだけの企業がある。

 イノベーションに優れた企業には共通点がある。イノベーションにおける自らの打率を測定していることである。成果からのフィードバックに基づいてイノベーションをマネジメントしている。

 第四に、マネジメントの仕事ぶりは、戦略の成否によっても評価される。戦略において期待したことは本当に起こったか。目標は適切だったか。目標は達成されたか。

 戦略もまた、期待を明確化し、それらの期待に照らして成果をフィードバックしなければならない。

 「優れたマネジメントは、自らの三振とヒットを自覚している。そして、何にもまして、何が得意か、何が不得意かを知っている」(『乱気流時代の経営』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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