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岸博幸のクリエイティブ国富論

IT戦略で日本の遥か先を行くラトビア

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第226回】 2013年4月26日
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 政府はアベノミクスの3本目の矢である成長戦略の策定に向けて精力的な議論を続けていますが、どうも議論がいかにも役人的な方向になっているように感じられます。その典型は、成長戦略の重要な柱となるべきIT戦略ではないでしょうか。

当たり前の規制改革も進まない
産業競争力会議での議論

 4月17日に開催された産業競争力会議で、IT戦略についても議論されました。そこでは、民間議員の三木谷氏が対面原則・書面交付原則の撤廃などITやネットをフル活用して成長に結びつけるための政策を提案していますが、それに応えるものである山本IT政策担当大臣の提出資料を見ると、10年以上前に私が当時のIT戦略本部にいた頃から議論されているような、はっきり言って非常に役人的な政策ばかりが羅列されています。

第6回産業競争力会議提出資料~ITを活用したビジネスイノベーション~(「科学技術イノベーション・IT」テーマ別会合主査三木谷 浩史)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai6/siryou11.pdf

新たなIT戦略(安倍ビジョン)の策定に向けて(IT政策担当大臣 山本一太)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai6/siryou12.pdf

 現在、政府内では高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)がIT戦略を検討する母体となっており、ここで来月中に新たなIT戦略がまとめられることになっています。

 しかし、上記の資料を見る限り、ITやネットの活用の障害となっている対面規制の撤廃など、当たり前の規制改革さえも実現する可能性は低いと言わざるを得ません。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


岸博幸のクリエイティブ国富論

メディアや文化などソフトパワーを総称する「クリエイティブ産業」なる新概念が注目を集めている。その正しい捉え方と実践法を経済政策の論客が説く。

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