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今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

【サンタナ「ロータスの伝説」】
曼荼羅のごとく様々な音楽の要素が融合し
一つの意志の下に統合される

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第58回】 2013年5月2日
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 現在の世界を特徴づけるものは、グローバル化です。

 この関連で興味深い本があります。ケンブリッジ大学出身の歴史学者クリストファー・ロイドが著した「137億年の物語」です。この本は、宇宙が始まってから今日までの137億年の歴史を、的確な視点によって大胆に要約したものです。母なる自然からホモ・サピエンスが誕生し、文明の夜明けが訪れ、そしてグローバル化が進んだのです。では、どうやって進んだんでしょうか?

 少々長い引用ですが、

 「現代のサウジアラビアのメッカに住んでいた男が神から受けた啓示は、風に乗った胞子のように広がって、ヨーロッパとアジアの大部分をひとつの文化圏にまとめます。中国で生まれた学問が、イスラームの商人によって西へ運ばれ知識に飢えていたヨーロッパにもたらされました。アフリカ大陸の黄金がきらめく中、探検家は、東や西の海のかなたにある国々へ船でたどりつけるという噂に刺激され、改良された船で大航海をなしとげます。この大航海時代にヨーロッパの文化は世界の隅々まで行き渡り、各大陸は「新たな超大陸」に統合されたのです」

 という感じでしょう。

 この記述は、音楽のグローバル化を連想させます。始めに、それぞれの民族に固有の音楽がありました。東洋には東洋の、西洋には西洋の、辺境には辺境のそれぞれの音楽ありました。が。平均率と5線譜によって統合が進みます。そして、20世紀の後半になると音楽は加速度的に融合して行きます。現代の音楽の特徴は融合と統合です。ロックやソウルやジャズやラテン等々のジャンルは意味を失いつつあります。それが音楽のグローバル化の本質です。

 と、いうわけで、今週の音盤はサンタナ「ロータスの伝説」(写真)です。

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小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


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ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

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