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バングラデシュにビジネスの可能性はあるか

“チャイナプラスワン”の新たなる選択
バングラデシュのビジネス環境の現状

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第1回】 2013年5月1日
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 成田からシンガポール経由で12時間半、ミャンマーとの国境沿いに走るアラカン山脈を越えると、箸と漢字の文化が消え、「1日3食のカレー」と「1日5回の祈祷」というイスラム一色の世界が広がる。

 「こんな世界で仕事できるのか?」と不安になる日本人を、悪名高い“バングラデシュ三大名物”の「停電・渋滞・慢性的なゼネスト」が洗礼する。そして赴任当日から始まる「指折り数えて帰国を待つ日々」……。日本人駐在員にとって、過酷な闘いの始まりである。

 だが、誰も行きたがらないバングラデシュだからこそ、そこに埋蔵されている“商機”というお宝を掘り当てられる可能性もある。

 「電力不足ではちょっとムリ」――日本企業にとって常識だ。パナソニックも、電力供給の不安定さを理由にバングラデシュ進出には消極的だったと聞く。

 物流も問題だ。ダッカから港のあるチッタゴンまでは陸路で5時間以上、そこからシンガポール港まで5日間かかる。シンガポールから先はさらに積み替えが必要で、輸出先までトータルでざっくり2週間はかかると言われている。

いまだに政治が経済に優先
名物ゼネストで商売はフリーズ

 万事がスローである理由は、政治が足を引っ張るためといえる。

総選挙を前に街は政治一色に Photo by Konatsu Himeda

 筆者も現地滞在中、バングラデシュ名物のハルタル(ホルタル)を経験した。日本でいうゼネラル・ストライキのことで、この国の大きなカントリーリスクだ。当日はすべての交通機関がマヒし、企業も店舗も原則として休みになる。もちろん日本企業も影響を被る。ハルタルが宣言されたその日は経済活動を行うのは御法度、基本的に社員は自宅待機。「納期に間に合わない!」と悲鳴が上がろうが、諦めるしかない。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


バングラデシュにビジネスの可能性はあるか

アジア最貧国といわれるバングラデシュが動き出している。新・新興国として「ネクスト11」にも数えられ、生産拠点として、また市場としての潜在性も見込まれている。だが、日本にとってはまだまだ遠い国。停電、渋滞、政権の不安定が進出を躊躇させるのが現状だ。他方、そのバングラデシュは日本なしでは立ち行かない国といっても過言ではない。親日感情はインドを上回るともいわれ、両国間の友好関係は深い。そんなバングラデシュに“チャイナプラスワン”の可能性はあるのか。最新情報を現地ルポでお伝えする。

「バングラデシュにビジネスの可能性はあるか」

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