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バングラデシュにビジネスの可能性はあるか

「日本企業はあちこちで大歓迎を受ける」
バングラデシュに根付く伊藤忠商事の活動

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第3回】 2013年5月29日
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バングラデシュと言えば「ネクスト11」といわれ、新興経済国に仲間入りする国のひとつだ。だが、貧困と洪水のイメージが邪魔をし、多くの日本企業が“バングラビジネス”にまだピンと来ていない。その一方で、このバングラデシュで半世紀の長きにわたって商機を追い求める企業もある。伊藤忠商事の鈴木琢也ダッカ事務所長にバングラビジネス最前線を聞いた。

すずき・たくや
1959年、神戸市出身。1982年伊藤忠商事に入社。入社以来繊維部門一筋、若い時代に中近東、中堅以降スポーツ関係を中心に北米、日本国内、中国など等多岐に渡って携わってきた。世界各地での経験を経て、2011年からバングラデシュのダッカ事務所長。2011~12年はダッカ日本商工会会頭、2012~13年はダッカ日本人会の会長に就任。趣味は絵画、ピアノ、ゴルフ。

 伊藤忠商事とバングラデシュの関わりは深い。過去50年以上にわたって日本人駐在員を送り続けて来た。しかしそこは相当厳しいビジネス環境だと言われている。

鈴木 伊藤忠商事がバングラデシュの首都ダッカに事務所を開設したのは1961年のこと、最古参の日系企業だ。当時は事務所にいたのは5人足らずだったが、今では80人の大所帯に成長した。近年、経済成長を遂げるバングラデシュとはいえ、世間ではこの国は「一番厳しい国の一つ」だと言われている。

 伝染病、疫病、デング熱、食中毒と毎週のように病に冒される邦人、緊急時はシンガポールかタイで医者にかかるしかない。日本からの直行便はなく、日本食からも隔絶された世界だ。バングラデシュに駐在する日本人は、仕事以上に身を守ることで精一杯だといえる。生活環境の厳しさは世界有数だ。

 交通渋滞、インフラの未整備、汚職、ストライキはこの国の現実だが、日本人はこれを目の当たりにすると「ウワーッ」と引いてしまう。また、国民の教育はまだまだ途上で、社会道徳や商業道徳の欠如も垣間見られる。デメリットを挙げればキリがない。だが、今この国で頑張らないでどこで頑張るのだろうか。私は決して悲観はしていない。かなりの商売がここにはあると思っているからだ。弊社はいま攻めの経営を掲げているし、私も毎日“ねじりハチマキ”でやっている。

伊藤忠商事のバングラビジネスはジュートから始まった。今では縫製機械からプロジェクト案件まで広範にカバーする。バングラデシュには文字通り、多くの商機が眠っている。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


バングラデシュにビジネスの可能性はあるか

アジア最貧国といわれるバングラデシュが動き出している。新・新興国として「ネクスト11」にも数えられ、生産拠点として、また市場としての潜在性も見込まれている。だが、日本にとってはまだまだ遠い国。停電、渋滞、政権の不安定が進出を躊躇させるのが現状だ。他方、そのバングラデシュは日本なしでは立ち行かない国といっても過言ではない。親日感情はインドを上回るともいわれ、両国間の友好関係は深い。そんなバングラデシュに“チャイナプラスワン”の可能性はあるのか。最新情報を現地ルポでお伝えする。

「バングラデシュにビジネスの可能性はあるか」

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