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国債市場は、説明できない高価格が継続する「バブル」が続いてきた。日本の財政状況は悪化の一途をたどり、国債は暴落すると言われ続けたが、暴落しない。この不思議な安定性を維持する状態を、名づけて「ハイブリッド・バブル」。その基本構造は、2種の投資家に支えられている。

暴落しない不思議なバブル

 この20年間、国債は暴落すると言われ続けた。なぜか。

 それは、日本政府の財政状況が世界最悪だからだ。2012年9月末時点で、政府債務残高は総額1000兆円と、先進国ではダントツに大きい。世界ではジンバブエに次ぐ水準だ。しかも毎年の借金額は加速度的に増加しており、国債発行残高は948億円にのぼる。

 国債はデフォルト(債務不履行)すると思われて当然だ。時期について見解が分かれるものの、いつか破綻するだろうことはコンセンサスになっている。

 にもかかわらず日本国債は高い価格を維持し、安定した低利回りを実現してきた。だから、これを人びとは「国債バブル」と呼ぶ。リスクが高く、高リスクに見合った利回りが得られないのに、高い価格で投資家がいまも買い続けている。説明できない高価格の継続、すなわち「バブル」というわけだ。

 なぜ暴落しないのか。それは、独特の国債の価格形成、および、暴落しそうでしない状態をうみだす構造を有しているからだ。私はこの構造を「ハイブリッド・バブル」と名づけた。ふたつのタイプの投資家が、テールリスク(発生確率はきわめて低いが、発生すれば甚大な影響を与えるリスク)の捉え方の違いにより、それぞれの合理性を持って、一方の投資家は売り、他方の投資家は買っている。この2極に分かれた投資家の存在と、その相互作用が“ハイブリッド”であり、この構造が、国債市場の安定性をうみだしているのだ。

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小幡績(おばた・せき)

1967年生まれ。慶應義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)准教授。92年東京大学経済学部卒業、大蔵省(現財務省)入省、99年退職。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。2003年より現職。『すべての経済はバブルに通じる』(光文社、08年)、『リフレはヤバい』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、13年)など著書多数。


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