慶應義塾大学の権丈善一教授から教えていただいた4枚のパワーポイントがある。これは、IMF主催「世界危機後のアジアにおける財政的に持続可能かつ公平な年金制度の設計」(2013年1月9~10日、東京)におけるLSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)のニコラス・バー教授の講演資料から抜粋したものだが(2013年5月17日、国民会議に提出)、わずか4枚で年金問題の本質をあまりにも見事に喝破されていることに強い衝撃を受けた。これほど素晴らしい資料はあまねく人口に膾炙されるべきであると考え、紹介させていただく次第である。
年金財政問題の解決策はただ4つだけ
まず1枚目はこれである。
年金を設計する方法と賦課方式と積立方式の違いについて、これほどシンプルかつ明確に述べた資料は寡聞にして知らなかった。不明を恥じるばかりである。
そして2枚目がこれである。
年金財政問題の解決策が、ものの見事に4つに切り分けられている。解説の入り込む余地は一切ない。それほど、枝葉をすべて落して研ぎ澄まされた1枚である。