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都市生活者を狙いあの手この手 「ふるさと納税制度」の空回り

週刊ダイヤモンド編集部
2008年7月22日
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故郷の自治体などに寄附すると居住地での住民税などが控除される「ふるさと納税制度」が、5月1日からスタートした。財政難に直面する自治体は、都市生活者からの寄附を獲得しようと、贈答品攻勢などあの手この手を打ち出している。だがこの制度、はたして地域間の税収格差是正に効果があるのだろうか。

 「特産品を贈るのは、市長のアイディアです。そばとしじみ、それに海の幸干物セットが人気です」

 島根県出雲市のふるさと納税担当者はこう語る。

 ふるさと納税は、故郷の自治体などに寄附すると居住地の住民税などが控除される制度。地域間の税収格差が議論された昨年、制度設計され、5月1日から正式スタートとなった。寄附金のうち5000円を超える額が、所得税や翌年の住民税から控除される(下図参照)。財政難に直面する自治体間でふるさと納税争奪戦が本格化している。

4万円寄付しても3万5000円分の税金が返ってくる

 出足好調なのが、出雲市である。寄附の申し込みはすでに100件に達し、金額は約280万円(7月8日時点)。帰省シーズンを前に、大あわてで取り組みを始めた他の自治体を尻目に、寄附金額を着実に増やしている。

 好調の理由は「贈答品作戦」。これがものの見事に当たった。なにしろ、5000円を超える寄附者全員に、地酒セットや柿の詰め合わせなど5000円相当の特産品を贈る気前のよさである。また、プレゼント攻勢がマスコミに大きく取り上げられたことも奏功した。

 もっとも、贈答品作戦には「もので釣るのか」といった批判の声も出ている。至極もっともな指摘といえるが、出雲市の担当者は「贈答品の趣旨は、控除対象外の5000円の補填と謝意、それに地元特産品のPRです」と説明する。すでに全国各地の20人ほどに指定された品を郵送しており、好評とのこと。出雲市では贈答品の希望は500件くらいと見込んで予算組みしたが、不足したら補正予算を組むという。

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