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野口悠紀雄「日銀が引き金を引く日本崩壊」

株価乱高下の要因を
シミュレーションモデルで分析する

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第9回】 2013年6月20日
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 5月23日の暴落以降、株価が大きく変動している。

 本連載の第6回で、為替レートによって日経平均株価を説明するモデルを示した。このモデルによって5月23日暴落以降の状況を説明できるだろうか?

株価モデルは、
5月23日の暴落を予想していた

 まず為替レートの推移を見ると、5月17日に1ドル=103.18円と円安のピークになり、21日にはすでに102.46円になっていた。つまり、株価下落に先立って、円高方向への転換が生じていたのである。

 モデルを用いて計算した株価と現実の株価を比較すると、図表1のようになる(この図で用いているのは、週ごとのデータである)。計算株価は、5月13日の週にピークとなり、その後、下落する。つまり、現実の株価の動向をほぼ説明していることになる。

 計算株価と現実株価の乖離の推移は、図表2に示すとおりだ。

 両者の比率はほぼ0の近辺だったが、日銀新金融緩和策が発表された直後の4月8日の週から0をかなり上回るようになった。そして、5月13日の週には15.2%ほど現実の株価が計算株価より高くなった。その後、乖離率は縮小しつつある。

 つまり、金融緩和策に対する期待から株価のバブルが生じ、それが元に戻りつつあると解釈することができる。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄「日銀が引き金を引く日本崩壊」

日本銀行が新しい金融政策を決定した。今後2年間でマネタリーベースを2倍に増加させ、消費者物価指数上昇率を2%にするとしている。これを受けて、「円安が進行して輸出が増大する。輸出関連企業の利益が増大し、株価が上がる。日本経済は長く続いた停滞から脱却しようとしている」と考えている人が多い。果たして、この期待は、実現されるだろうか?

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