高配当でも“訳アリ”かもしれない要注意企業の特徴とは?本当に成長著しい企業がすることは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

近年、日経平均株価は3~4万円台の高値をキープし、一時はバブル期に記録した最高値も更新した。その一方で、米をはじめとする様々な物価高もあって、庶民の生活は厳しいまま。現在の株高はバブル景気のような異常な高値なのか、それとも適正価格なのか。第一生命経済研究所経済調査部主任エコノミスト・藤代宏一氏の新刊『株高不況 株価は高いのに生活が厳しい本当の理由』((青春出版社刊)から、抜粋して紹介します。

日本株のPERとPBRが示すもの

 現在の株価の割安・割高を判断するため、最低限理解しておくべき指標はEPS、PER、PBRの3点です。

 EPSは一株あたり利益、PERは「一株あたり利益(EPS)に対して株価がその何倍の水準で取引されているか」を測る指標です。PBRは「一株あたり純資産(BPS)に対してその何倍の水準に値付けされているか」を測る指標です。

 したがってPER、PBRは高ければ「割高」と評価される数値です。それを踏まえた上でそれぞれの推移を確認すると、ここ数年はどちらも長期的な平均の範囲内にあり、特に異常な水準にあるわけではないことがわかります(図表4・図表5)。