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「引きこもり」するオトナたち

ひとりぼっちの引きこもりを社会につなげるカギは
“一般の会社員ら”が握っていた!

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第157回】

まだ外に出られない当事者も期待
庵FSで“脱引きこもり”した人たち

 圧倒的に多くの引きこもりの人たちは、家から出られないなどの理由で、この場に来ることができない。毎回記事の巻末に載せているアドレスには、そういう方々からも、「自分は参加できないけれど期待しています」「希望を感じます」といったメールが寄せられる。

 行政や支援団体などが取り組んでいる「就労」は、いまでも必要な選択肢の1つだ。しかし、行政や支援団体では普通には思いつかないであろう「新しい働き方」「雇われない生き方」のアイデアが当事者たちから生まれ、少しずつ変化が始まりそうな予感がある。ここに出て来られないたくさんの仲間たちは、じっと様子をうかがいながら、そんな空気を感じとっているのだろう。

 この庵FSには、運営のためのボランティアスタッフはいるものの、主催者がいない。参加者みんなが作っていく場だ。

 アイデアがある人、企画を立ち上げたい人は、当記事の文末のアドレス、庵FSのフェイスブック等から運営スタッフにメールしてもらい、発案者本人の意向に沿いながら場づくりをして、みんなで一緒に進めていくことになる。

 実際、庵FSに関わり始めて、すでに引きこもり状態から脱却した人もいる。

 会場のスクリーンには、神戸の引きこもり当事者で自助グループ「グローバルシップスこうべ」を主宰する森下徹さんら3人がテレビ電話で登場。森下さんは、神戸のFSでは、恋愛の話から、引きこもっていたからこそできることを話し合ってきたと紹介した。

 また、京都で4回のFSを開催してきた、引きこもり問題を若者と家族のライフプラン(人生設計)の面から考えている京都市のNPO法人「若者と家族のライフプランを考える会」の河田桂子さんも、テレビ電話を通じて、こう報告した。

 「働く場、仕事づくりを進めてきた。今年度は、若者が自分たちで企画した案を行政に申請して認められた。今後はアイデアをいただいて、利益をつくってみたい」

 こうして東京と神戸、京都の参加者がつながってトークができると、場に広がりが感じられた。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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