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組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

同僚との強いつながりが仕事の幅を狭めてしまう?
“弱くてもオープンな人脈”が本当に役立つのはなぜか

――処方箋㉔「強い縁」と「弱い縁」の利点を使い分けろ

渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第24回】 2013年7月3日
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公私ともに話ができる友人は職場にいる?
ある事業所では「全くいない人」が半数に

 皆さんには、仕事上でもプライベートでも話ができる友人はどれくらいいるだろうか。

 昔、筆者がある企業でアンケートを取ったところ、400人以上の事業所の中で、「誰もいない」という回答が5割近くに上った。「1人」がほぼ3割。実に8割近くの人々が、「職場に1人友人がいるかいないか」という状態であった。

 一方で、「仕事以外の友人が10人以上いる」と答えた人もちらほらいた。

 こういった仕事内外での人間関係は、その後の人生に大きな影響を及ぼすことも珍しくない。

 それを学術的に証明してみせた有名な研究がある。スタンフォード大学のマーク・グラノヴェッターが1973年に発表した『弱い紐帯(ちゅうたい)の強さ』(The strength of weak ties)という論文である。すでに知っている読者も多いだろう。

 彼は、アメリカのアッパーミドルクラスの白人男性を対象に、彼らの人間関係とその効用について調査を行った。特に人間関係をネットワークとみなし、その関係を「強い紐帯」と「弱い紐帯」に分けた。

 「強い紐帯」とは家族や親族、共同で事業を立ち上げたビジネスパートナーなど、強固で緊密な関係性を持つ「つながり」である。「弱い紐帯」とは、それほど親しくなくともビジネス上話をする、ときどき遊ぶ友人など、強固でも緊密でもない関係性の「つながり」だ。

 常識的に考えれば、関係は濃密であるほど、色々な意味で「よい」と思われる。困ったときや大変なときに、まず助けてくれるのは強いつながりのある相手だ。また、強固な絆で結ばれたグループは、何か目的を持って皆で協力しあうには、力を発揮する。

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渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

職場で「不快感」を訴える社員が急増している。成果主義的な評価制度を導入する企業が増えたことにより、チームワークよりも自分の業績を重視する社員が増え、「ギスギス職場」が生まれているからだ。一方で、年功序列と終身雇用が崩壊しつつある職場では、職場の「世代間ギャップ」もかつてなく広がっている。こうした職場は結束やコミュニケーションを失い、社員の不快感は増していく。職場の不快感を取り除くには、制度的な「仕組み」を導入するだけでは不十分だ。部下1人1の「心」に効く、メンタル・マネジメントの方法論を上司が体系的に理解しておく必要がある。この連載では、日本の職場で起こりがちな「不快感」の臨床例を毎回わかりやすく紹介し、それを解決するメンタル・マネジメントの方法論を、社会心理学的な視点を織り交ぜながら、詳しく解説していく。

「組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」」

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