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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

成長戦略の焦点は何?
おもしろそうなのは自動車と医療
――熊野英生・第一生命経済研究所
経済調査部 首席エコノミスト

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第102回】 2013年7月3日
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 6月に政府の成長戦略が発表された。その内容は、「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」という100ページ近くの資料につづられている。

 その内容は多岐にわたり、農業、女性活用、特区など消化不良に陥るほど盛りだくさんである。しかし、ビジネスマンの肌感覚に照らして、経済成長を促そうというときに、「農業や医療を成長分野に」というのはちょっと縁遠い話ではないかと首を傾げてしまう。

 しかし、不満を述べるのは簡単であるが、何が望ましいのかという対案を出すことは簡単ではない。読者の皆さんは、何かよいアイデアをお持ちだろうか。

 本稿では、順序を追って、どんな成長戦略であれば、より望ましいのかを考えてみることにする。

目指すは企業の収益体質の強化

 政府の目標設定には、名目3%成長を継続することで、「10年後の1人当たり名目国民総所得(名目GNI)を150万円以上増やす」という方針がある。

 ここ1、2年先でさえ賃金上昇の展望が立ちにくいのに、10年後の所得水準を語るのは飛躍を感じる。筆者は、賃上げできない理由の1つには、企業の収益水準がまだ低く、賃金水準を引き上げることに企業経営者が慎重であるという背景があると考える。

 賃上げできるようにするには、企業経営者が自信を取り戻すために、企業の競争力を向上させる必要がある。だから、成長戦略では、競争力強化策に取り組まなくてはいけない。

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熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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