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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

北京空港で起きた爆発事件
犯人への同情が示す中国社会の質的変化

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第165回】 2013年7月25日
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前回のこのコラムで、7月10日夕方、日中関係学会(会長:宮本雄二元駐中国大使)と華人教授会議(代表:杜進拓殖大学教授)の共催により、来日中の馬立誠・元人民日報論説委員を招いて、東京神田にある学士会館でシンポジウムを行ったことを取り上げた。

 馬氏が「現代中国の社会思潮」という演題の基調講演を行ったあと、私はコメンテーターとして、その基調講演に対してコメントを発表した。実は、このコメントの中で、私は中国の現状に触れたとき、10年間の無為無策で、政治改革が遅れ、国民が大きな関心を持つ問題が無視され、解決すべき社会問題が山積し、中国社会は危険な臨界点に近づいていると警鐘を鳴らした。

質的変化が起した瞬間

 シンポジウムのあと、交流を含めた懇話会が催された。そのとき、ある参加者が私を掴まえて質問した。

 「先ほど、莫さんはコメントのなかで、臨界点という表現を使って、中国の社会問題を分析したが、この臨界点は具体的に言えば、どういうことを想定しているのか」

 私はこう答えた。

 「質的変化が起こる瞬間を指す」

 わずか一週間後、中国の社会問題がその質的変化を起こした瞬間を見せてくれた。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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