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社員は努力をする

午後3時には仕事を終えて<br />帰ってもいい会社があった。<br />【企業インタビュー:スタートトゥデイ編】前澤 友作(まえざわ ゆうさく) 1975年、千葉県生まれ。早稲田実業学校在学中にバンドを結成。高校を卒業後、音楽活動の一環で半年間渡米。1995年、輸入レコード・CDのカタログ通販ビジネスを自宅にて創業。1998年に有限会社スタート・トゥデイを設立し、代表取締役に就任。2000年にCDのカタログ通販をオンラインショップ化し、株式会社スタートトゥデイに改組。同年10月、ストリート系アパレルを販売するオリジナルセレクトショップ「EPROZE」をオープン。同年に自身のバンドはメジャーデビューを果たすも、2001年にバンド活動を休止。2004年に17店のオンラインセレクトショップを統合し、「ZOZOTOWN」をオープン。 2007年12月に東証マザーズへ上場。2012年2月、東京証券取引所市場第一部に上場。2013年3月時点、ZOZOTOWNの会員数は約540万人。「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」という企業理念のもとに集まったスタッフと、日々「楽しく働く」ことを大切にしながら、事業を通して理念の達成を目指す。

本田 社員にとって本当に働きやすい環境を考えられたんですね。

前澤 月曜から金曜まで毎日8時間も拘束される働き方が本当に人間らしいでしょうか。少なくとも僕自身は違うと思いました。実際、1日で集中できる時間は3時間から5時間くらいでしょう。それを週3、4日やるくらいのリズムが人間らしくて自然な形なのではないかと思うんです。ところが、会社では就業規則を作って8時間労働を強いていました。この矛盾を解決できないかと考えた結果、この短時間労働への挑戦が始まったんです。

本田 実際、8時間会社にいたとして、どれくらい真剣に仕事をしているか。もしかしたら、4、5時間くらいかもしれない。それ以外の時間はぼーっとしていたり、ウェブでニュースを見たり、SNSを見てしまったり。だったら、さっさと帰って他のことをしたほうがいい、という発想ですね。

前澤 時間に余裕が生まれると、心と体にも余裕が生まれます。精神的、体力的な余裕は、経験や知識の増大にもつながります。より仕事ができる人に育っていくということです。時間がなければ読書もできません。家族とのコミュニケーションもできない。遊ぶ時間がなくなり、どんどんキャパシティがなくなっていく。結果、職場に戻っても、いいアイディアやあたらしいものは生まれません。時間に拘束されるという悪いスパイラルと、いいスパイラルは両極端だと思うんです。いいスパイラルで働き方を変革して実績を残すことによって、こういうやり方もあるんだと世の中に発信できれば、と考えています。