メタンハイドレートと聞いて、読者の皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。“燃える氷”ともいわれるメタンハイドレートはメタンガスを含んだ氷状の物質。日本近海に豊富に眠っているとされ、将来的に貴重なエネルギー源として活用できる可能性を秘めています。日本は2013年3月、世界で初めて、海底のメタンハイドレートからメタンガスを採取することに成功しました。東日本大震災以降、エネルギー不足が深刻な日本。果たしてメタンハイドレートはそんな日本を救う、救世主となるのでしょうか。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の担当者の方に、お話を伺いました。(取材・文/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)
世界初のガス採取成功
関連株はストップ高に
Photo:JOGMEC
先の参院選では、エネルギー問題に対する国民の関心は高かったものの、一部の候補者を除いて積極的に争点として取り上げませんでした。しかし、この問題は私たち国民の生活に直結する重要な問題です。
2012年3月12日、この問題に関する重要な出来事が報道されていました。
「メタンハイドレートからガス採取成功、世界初――」
実はこれよりも一日早く、株式市場は反応していました。前週から、ガス採掘が実現する見通しであることは報じられていたために、メタンハイドレート関連銘柄として三井海洋開発と日本海洋採掘の両社の株が積極的に買われ、ストップ高となりました。
なぜ、これほど注目を浴びたのでしょうか。それはエネルギー自給率がわずか4%の日本において、メタンハイドレートから生産されるメタンガスが、本格的な自前のエネルギー資源となる可能性があると捉えられ、問題山積の日本のエネルギー事情を好転させるきっかけになる、と期待されたからでした。