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労働市場最前線Ⅱ

【「アジアの“働く”を解析する」第4回】
意外に多い!東南アジアの日本企業で働きたい人
彼らを上手に活用するための現地駐在員の役割とは

戸田淳仁 [リクルートワークス研究所研究員]
【第18回】 2013年8月1日
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 海外に進出する日本企業は増加し続け、多くの日本人も海外とビジネスをする機会が増えている。海外でビジネスをする際には、現地の人材を活用する必要があり、そのためには現地の人材が企業に対して何を期待しているのか把握する必要があるのは言うまでもない。

 「アジアの“働く”を解析する」の第4回では、これまで紹介した事実を踏まえながら、海外に進出する日本企業や駐在員が現地の人材とどのようにビジネスをしていけばいいのか、その方針について考えていきたい。

東南アジアでは
外資系企業勤務が人気

 まずは、資本の国籍は問わないで、外資系企業での勤務志向がどれだけあるのかについて見ていきたい。

 比較のために、実際に外資系企業で働いている人の割合を見てみよう。実際に外資系企業で働いている人の割合は、特に中国で37.4%と高いが、東南アジア諸国は1~2割にとどまる。一方、韓国は3.9%、日本は5.8%と低い。外資と合資企業の割合を足し合わせても、ほぼ同じような傾向が見られる。

 次に、「外資系企業で働きたい」と思う人の割合を見ると、ベトナム、インド、インドネシア、マレーシア、タイといった国々で、その数値が非常に高い。ベトナム89.1%、インド88.2%を筆頭に、極めて外資系企業志向が高いと言える。

第1回の連載で見たように、グローバル志向者の割合が高いインド、タイ、インドネシアにおいては、「外資系企業に働きたい」と考える人が多いのは当然といえる。しかし、韓国やベトナムのように、グローバル志向者の割合がそれほど高くないにもかかわらず、「外資系企業で働きたい」と思っている人が多い国もある。これはなぜだろうか。

 ベトナムでは、ASEANの中でもタイやマレーシアと比較して経済社会が発展途上であり、働きたいと思う国内企業がそもそもあまり育っていない。そこで、よりよい条件を求めて、外資を志向する人が多いと考えられる。

 また、韓国においては、グローバル志向の高い人は既に海外で働いていることと、内資系企業の代表である財閥に入るのは非常に狭き門であり、そこに就職できない人がよりよい待遇を求め、外資系企業を志向しているという図式ではないだろうか。

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戸田淳仁 [リクルートワークス研究所研究員]

(とだ あきひと)2008年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了後、リクルート入社。同年4月より現職。大卒求人倍率調査、雇用の現状などを担当。専門は労働経済学。


労働市場最前線Ⅱ

2011年1月からスタートし2012年7月まで続いた『ワークス研究所の労働市場「最前線」』の第2弾。新卒就職、非正規社員、シニア世代の再就業、労働法制……、日本労働市場には多くの課題があり、それは業種や規模の大小を問わず、すべての企業に関係する事だ。本連載ではリクルートワークス研究所の研究員のみならず、リクルートグループ内で「労働」に深く関わる識者からの、最新の労働市場分析や提言をお届けする。

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