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石川和男の霞が関政策総研

“電力システム改革”を改革すべし!

石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]
【第1回】 2013年8月12日
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現状の電力システム改革案は
低廉安定供給の継続に資するか?

 去る8月2日、経済産業省・総合資源エネルギー調査会が“電力システム改革”の詳細を決める第1回制度設計ワーキンググループを開催した。

 制度設計の根拠になる電気事業法変更案は、先の通常国会の会期末での政治的混乱の中で廃案となった。しかし、政府は4月2日に“電力システムに関する改革方針”を閣議決定しており、これを拠り所としてこのWGを開始させた。安倍政権は、秋の臨時国会で速やかにこの法案を提出する意向であるようで、そうなれば同法案はあっさり成立するであろう。

 “電力システム改革”による制度変更案とは、以下の3点を段階的に行うことを企図している。

(1)広域的運営推進機関の設立:2015年を目途
(2)電気事業参入の全面自由化(現在規制されている家庭用を中心とする低圧需要向け小売への新規参入解禁):2016年を目途
(3)電力会社の発送電分離(法人分離)と電気料金規制の撤廃:2018~2020年を目途

 私は、これらの段階的な制度変更案うち、(2)と(3)については電力行政の根幹である「低廉安定供給の継続」に資する要素が全く感じられないため、強く反対する。

 この制度変更案の検討の場であった“電力システム改革専門委員会”の委員長は伊藤元重・東京大学大学院経済学研究科教授であったが、同教授が4月にダイヤモンド・オンライン上で公開した「日本の電力システムを創造的に破壊すべき3つの理由」()と題する論考を拝読するに、このような認識の下で制度変更案を検討すればこのようになるのも「さもありなん」と思わざるを得ないものであった。

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石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]

1989年3月東京大学工学部卒業。同年4月通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁、生活産業局、環境立地局、産業政策局、中小企業庁、商務情報政策局、大臣官房等を歴任。2007年3月経済産業省退官。08年4月東京女子医科大学特任教授(~10年3月)。09年1月政策研究大学院大学客員教授。09年4月東京財団上席研究員。11年9月NPO法人社会保障経済研究所代表。ツイッター:@kazuo_ishikawa ニコ生公式チャンネル『霞が関政策総研』、ブログ『霞が関政策総研ブログ』


石川和男の霞が関政策総研

経済産業省の元官僚として政策立案の現場に実際に関わってきた経験と知識を基に、社会保障、エネルギー、公的金融、行政改革、リテール金融など、日本が抱えるさまざまな政策課題について、独自の視点で提言を行なっていく。

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