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インキュベーションの虚と実

これが起業家とメンターの相思相愛のカタチ!
MUGENUPとiettyの成功の背景にあったもの

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第33回】 2013年8月19日
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インキュベイトファンドなしで
いまはなかった

 今回は、起業家とメンターの関わり方、育て方、育てられ方について、二つのスタートアップ、MUGENUP(社長:一岡亮大)とietty(社長:小川泰平)がインキュベーター兼投資家であるインキュベイトファンドとどのように成長していったかという例を紹介し、そこから考えてみたい。

 米国のメンターは起業家を尊重し、対等の立場で、しかし辛辣な言葉も率直にぶつけることが常識だと本連載で述べてきた。しかし、日本では、メンターと起業家が先生と生徒のような上下関係になったり、逆に起業家が「メンターはうるさいから基本的に好きにやらせてほしい」とメンターを突き放し、発言力に関して起業家上位の形になることが多い。

 しかし、これから紹介する2社とインキュベイトファンドの関係性は、筆者が考える理想の関係性に近い。まずは2社の生い立ちから振り返る。

 MUGENUPはゲーム会社にイラストなどクリエイティブ素材を提供するビジネスをしている。投資家インキュベイトファンドは株主で、同社でMUGENUPを担当するのは本間真彦氏だ。

 iettyは個人と賃貸物件仲介会社をフェイスブックと連携したウェブサービスでつなぐビジネスだ。MUGENUPと同様にインキュベイトファンドは株主で、担当するのは和田圭祐氏だ。

 この二人の起業家は共に、ベンチャーキャピタルであるインキュベイトファンドが年二回開催する事業創造支援の合宿イベント、インキュベイトキャンプの卒業生だ。インキュベイトキャンプは、起業家やその予備軍が20人程参加するが、そのうち投票で上位の3つの事業案について、全員でブラッシュアップする。

 二人の起業家は口を揃えて「インキュベイトファンドなしで、いまの事業はつくり出せなかった」と話す。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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