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スマートフォンの理想と現実

ポスト・スマートフォン時代は
ポストGoogle時代になるかもしれない

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第48回】 2013年8月22日
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 Googleはどこへ向かうのか。

 モバイルに限らず、IT/ICTという分野で仕事をしていると、この深遠なテーマから逃れることはできない。Androidの行方、ネット広告の動向、スマートテレビの将来――もともとの検索やWebサービスを大きく超えて、社会のあちこちで影響力を及ぼしている。

 そんなGoogleに、限界はあるのか。この問いも難しい。インターネットの膨張が続く限り、Googleの商機は尽きることがなく、同社はどんどん肥大化していく。そんな錯覚にとらわれることもあるし、Googleが存在することで、市場への参入を諦める事業者もいるだろう。それほどの存在であることは、論を俟たない。

 ただ、腑に落ちないこともある。もし本当にGoogleがそれほどの存在なのだとしたら、現在のGoogleの時価総額は、むしろ安すぎないだろうか。それに、市場を限定すれば、Googleよりも大きなシェアを持つ事業者は存在する。たとえば日米市場においてはiPhoneのシェアが相変わらず高いし、Google+という彼らのSNSは相変わらず鳴かず飛ばず、である。

 Googleとて完璧ではない。そしてGoogleがそうした課題のすべてをキャッチアップできるわけでもない――日々Googleのサービスに接していると、ついこの当たり前の事実を忘れてしまいがちだ。なにしろ、たかだか数分のシステムダウンで、世界中のトラフィックの4割近くが減少するような、そんな存在である。

 しかし今春、あるデバイスに触れながら、もしかするとGoogleの限界が近づいているのではないか、と感じるできことがあった。それは、Googleグラスである。

「本人」に固執していなかったGoogle

 Googleが提供するサービスは、プライバシー問題の議論に、常にさらされている。検索履歴やWebサービスの利用履歴などは正しくそのものだし、Gmailがメールの内容を解析して広告配信していることはよく知られている。

 最近ではGoogle Nowのようなサービスもある。Googleが提供する、メール、スケジュール、位置情報等の、利用履歴や通信の内容の解析結果を組み合わせて、その都度必要な情報を最適なタイミングでお知らせする、というものである。たとえば飛行機の搭乗まで4時間を切った時、空港まで1時間強を要する場所にいれば、現在地点から空港までの経路とともに、移動を促すメッセージを知らせるような、そんなイメージである。

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クロサカタツヤ[株式会社 企/株式会社TNC 代表]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

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