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[新連載]【グローバル経営とIT】
リーマンショックが変えた
「本社と海外拠点の関係」と「スピード感」

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第1回】 2013年9月6日
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国内市場の飽和感と新興国の経済成長などにより、ビジネスのグローバル化が急速に進展しており、その展開形態や拠点間の業務連携は複雑化している。グローバルなビジネス連携を支える上でITの重要性は高まっているが、その一方で、個別に展開してきた情報システムが足かせとなり、俊敏で柔軟なビジネス展開を阻害するという課題が浮上している。

グローバル化は今後
さらなる進展と進化を遂げる

 グローバル化の波は製造業だけでなく、流通業、金融業、サービス業などあらゆる業種の企業に押し寄せており、多くの国内企業にとってグローバル・ビジネスの展開は重要な企業戦略のひとつとなっている。

 また、グローバル化の進展に伴って、展開の形態や海外拠点の位置づけは多様化し複雑化しており、より高度な情報や業務プロセスの連携が求められるようになっている。

 以前は、グローバル化といえば製品を輸出する市場を求めて販売拠点を展開する、あるいは、アジアなどの新興国に低廉な労働力を求めて生産拠点を展開するといった取組みが主流であった。この時点で、市場のグローバル化と製造のグローバル化は必ずしも同期しておらず、生産地としての海外と消費地としての海外は、本社が所在する日本を中心においた1対1または1対多の関係で結びつけられる傾向にあった。

 しかし、リーマンショック後のグローバル化では、生産地としての海外と消費地としての海外を直接的かつダイナミックに結びつける動きが活発化している。今後さらにグローバル化が進展し、いくつかの広域経済圏のなかで縦横無尽に生産/消費が行われるようになろう。

 また、国境や広域経済圏を越えた分業や協業も活発化することが予想される。さらに、合弁会社の設立、M&A、拠点の設立・移転・廃止がこれまで以上に短いサイクルで行われるようになると考えられる(図1)。

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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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