生・損保業界の近年のキーワードといえば、いうまでもなく「不払い」でしょう。2005年に生・損保いずれの業界でも不払いが発覚、その後調査結果が発表されるたびに、その金額は膨れ上がっています。

生保の不払い

 先日発表された生保38社の過去5年間の不払い金額は、910億円にものぼりました。これは当初発表した金額を大きく上回る2.5倍で、件数にして120万件にも。驚きです。

 よくある不払い内容はこうです。入院給付金を請求した場合などで、あわせて請求すれば3大疾病保険や通院特約などからも保険金や給付金が支払われるのに、契約者からの請求がなかったことを理由に保険金を支払わなかったというケース。

 また、契約者が保険料の支払いを怠ったために失効した保険で、本来なら失効返戻金が支払われるはずが、支払われていなかったというものもありました。こうした不払いは、契約者が契約内容を知らなければ、クレームすら上がらないわけですから、当然に起こりうることなのかもしれません。

損保の不払い

 損保会社はどうかといいますと、今夏時点で発表された不払い金額は、過去3年間だけでも損保26社で380億円超。医療保険など第三分野の不払いは過去5年間で約16億円。同時に火災保険の保険料取りすぎが約64億円。火災保険の問題はまだ調査中で、最終的な金額はさらに膨らむことになるでしょう。