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イオンで初の“外国人役員”
実質ナンバーツーとの声も

週刊ダイヤモンド編集部
2009年2月18日
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 初の外国人役員就任を発表したイオンの人事が波紋を広げている。

 2月21日付で顧問、5月の株主総会後に執行役に就任するのは、ジェリー・ブラック氏(49歳)。現在は米コンサルティング会社のカート・サーモン・アソシエイツ(KSA)のCEO(最高経営責任者)を務めている。

 イオンの発表によれば、同氏はグループ全体の事業戦略と海外事業、IT部門を担当する。このところ業績も株価も大きく落ち込んでいるイオンにとって、事業戦略の見直しは焦眉の急。

 また、同社は国内から中国と東南アジアに成長の軸足を移すことを明言している。つまり、イオンの将来を大きく左右する最重要事項をいずれもブラック氏が統括することになる。

 イオンに副社長や専務といった肩書は存在せず、代表権を持つ岡田元也社長の下に十数人の執行役が並ぶ。そこにブラック氏が加わるわけだが、「担当する事業の重要性からいっても、実質ナンバーツーに近い立場になるのでは」(イオン幹部)との見方が多い。

 ブラック氏は1997年から始まったイオンのIT・物流インフラの大改革にコンサルタントとして深く関与した人物。イオンがKSAに支払った顧問料は、米国から呼び寄せるコンサルタントの渡航費や滞在費を含め、「ピーク時には年間数億円に達していたはず」(外資系コンサルタント)。この“功績”で同氏は出世の階段を駆け上がり、KSAのトップに就いた。

 だが、欧米モデルを押し付けるやり方がイオン社内に軋轢を生んで、当時のIT部門責任者が辞任する騒ぎも。また、「700億円以上を投じたIT・物流改革も、今の業績を見ると、どれだけ効果があったのか」(大手ITベンダー)と疑問視する声も少なくない。

 妻は日本人で、大の日本びいきともいわれるブラック氏。岡田社長の期待は大きいようだが、社内の信頼を得るためのハードルは決して低くはなさそうだ。

(『週刊ダイヤモンド』編集部委嘱記者 田原寛 )

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