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データを武器にする
【第1回】 2013年9月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
渡辺啓太

ビッグデータだけでは勝てない。
28年ぶりの奇跡を支えた「伝える力」

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  日本のバレーボール界で初めてのプロの専属アナリストとして、北京五輪の「柳本ジャパン(柳本晶一前監督)」時代から活躍し、2012年のロンドン五輪では28年ぶりのメダル獲得に貢献した渡辺啓太氏。
 データを駆使して戦うバレーボール、アナリストとはどのような仕事だろうか?

28年ぶりに銅メダルをもたらした
「データバレー」

 2012年8月、全日本女子バレーボールチームは、
  ロンドン五輪で28年ぶりのメダルを獲得しました。

  選手の身長も技術も高くなり、厳しい戦いが繰り広げられている世界のバレーボール。その中で、小柄な全日本女子チームが、いかにして高レベルの戦いを勝ち抜いていったのかと、多くの質問が寄せられました。

  そこには、ロンドン五輪までの4年間にわたって、
   練りに練った戦略と入念な準備がありました。
   つまり「狙って獲りにいった」メダルなのです。
   この「狙って」の部分を支えるもののひとつが、データでした。

  ところで皆さんは、バレーボール・アナリストという職業をご存じでしょうか?

  スポーツにおけるアナリストとは、技術成績や戦術傾向を調査・分析して、選手やコーチに役立つ情報を提供する専門家のこと。
   自分たちのチームや相手チームの情報を収集・分析し、チームのパフォーマンス向上と勝利に貢献することが仕事です。

  ロンドン五輪の銅メダルのニュースもあって、バレーボールでデータが積極的に使われていることが多くの人に知られることになり、
  「データバレー」という言葉も浸透しました。

  試合中、眞鍋監督が片手にiPadを持ったまま、選手に指示をする姿を目にした人も多いでしょう。

  試合中、コート後方で休むことなく一心不乱にパソコンにデータを打ち込むという一見奇妙に映る私の姿も注目され、チームスタッフの一員であるアナリストの存在にも光を当てていただきました。

  こんなことから、「データバレーの勝利」とか「日本のメダル獲得の裏にはデータ戦略があった」などと取り上げられるようになったのです。

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渡辺啓太(わたなべ・けいた) 

全日本女子バレーボールチーム情報戦略担当(チーフアナリスト)。 1983年、東京都生まれ。筑波大学人間総合科学研究科修了。専修大学バレーボール部時代に独学でアナリスト活動を開始。2004年に全日本女子バレーボールチームに初招集。2006年、日本バレーボール界初のナショナルチーム専属アナリストに抜擢され、全日本女子バレーボールチームの強化とアナリスト育成事業に貢献。2008年には日本選手団の最年少役員として北京五輪を経験する等、数多くの国際大会において日本の情報戦略活動を担う。 2009年からは眞鍋政義新監督のもと、引き続き全日本女子バレーボールチームのアナリストに就任。2010年には32年ぶりとなる世界選手権でのメダル獲得に貢献、2012年ロンドン五輪では28年ぶりとなる銅メダル獲得を果たした。日本オリンピック委員会強化スタッフ(情報)、日本バレーボール協会女子強化委員会主事、科学研究委員会情報戦略班員、専修大学非常勤講師。


データを武器にする

統計学やビッグデータの有用性が注目される今、実際にデータをどう現場で活かすべきか、多くのビジネスパーソンが悩みを抱えている。
この連載では、全日本女子バレーボールチームの情報戦略担当アナリストによる、勝つためのデータ活用法を紹介。時にはアナログな手法も使いながら、チームにデータを浸透させ、データを「武器化」して勝利をつかむ。その具体的アイデアを伝授。

「データを武器にする」

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