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相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

無風の射水市長選にたった1人で挑む「76歳新人」
“老いの一徹”は大合併の悪しき遺産を打ち崩せるか?

相川俊英 [ジャーナリスト]
【第78回】 2013年9月24日
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全国で若手首長が続々と誕生するなか
市長選に立候補する「76歳新人」の思い

 若い首長が相次いで誕生するようになり、いまや30代の自治体トップもそれほど珍しいものではなくなった。現に市長の最年少記録は更新に更新を重ね、いまや20代に突入した。

 今年6月に当選した岐阜県美濃加茂市の藤井浩人氏、28歳である。市町村長の被選挙権は25歳以上なので、下限にまで迫りつつある。

 日本のメディアは、若い首長が生まれると決まって大きなニュースとして取り上げ、しかも好意的に伝えてきた。20代や30代の若者が首長選に出馬したり、ましてや当選することなど、ひと昔前にはあり得なかった。それだけ新奇さに富む出来事なのである。

 メディアが若い首長の出現に沸く理由は、他にもある。地域の将来に対する危機感や不安感が生み出した現象と考えられるからだ。リスクを背負って出馬した若者と変化を期待して投票した住民たち。双方ともに「地域を変えなければ」という切迫感を募らせ、これまでの常識を越えた行動に出たのである。

 それには「しがらみのない清新な人が良い」となり、組織の支援を受けない若手候補などの当選につながったと分析される。

 もっとも、首長としての適格性に年齢はあまり関係ない。若ければ良いというものではないし、ダメというものでもない。もちろん、高齢の場合も同様だ。首長に求められるのは知力、体力、胆力、組織運営力であり、それらの多寡は年齢だけで即断できない。個々人によって様々であるからだ。

 また、これまでの政治や行政とのしがらみの有無強弱も、実際のところ、年齢とはあまり関係ない。若い頃からしがらみにまみれている人も存在する。

 厳しい現実に直面しているのは、特定の地域に限らない。地方の衰退は拡大する一方で、閉塞感が蔓延している。若い首長の誕生は、いまやどこにでも起こり得るものといってよい。

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相川俊英 [ジャーナリスト]

1956年群馬県生まれ。放送記者を経て、1992年にフリージャーナリストに。地方自治体の取材で全国を歩き回る。97年から『週刊ダイヤモンド』委嘱記者となり、99年からテレビの報道番組『サンデープロジェクト』の特集担当レポーター。主な著書に『長野オリンピック騒動記』など。


相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

国政の混乱が極まるなか、事態打開の切り札として期待される「地方分権」。だが、肝心の地方自治の最前線は、ボイコット市長や勘違い知事の暴走、貴族化する議員など、お寒いエピソードのオンパレードだ。これでは地方発日本再生も夢のまた夢。ベテラン・ジャーナリストが警鐘を鳴らす!

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