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大豆で大腸がんを予防!?
発がんにつながる異常を制御

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第166回】

 男女共に、増加している大腸がん。食習慣の変化が背景にあるとされ、予防効果が期待できる食物繊維豊富な和食への回帰がいわれている。また先ごろ、和食の代表的な食材である「大豆」に含まれるゲニステインは大腸がんの発生を予防する、という米イリノイ大学の研究結果が専門誌に掲載された。

 大腸がんの発症には、Wntと呼ばれるタンパクが絡んでいる。Wntは複数の細胞ネットワークを通じて、細胞の発生、増殖・分化を制御し、動物の胎生期から老化までをコントロールする重要な役割を担う。しかし、何らかの異常でWntネットワークが暴走すると、がん疾患ばかりか、統合失調症や糖尿病、慢性関節リウマチなど複数の疾患の発症リスクになる可能性が指摘されている。病気の元凶ともいえる存在なのだ。

 研究では、妊娠中のラットと生まれた仔ラットにゲニステインを豊富に含む大豆タンパクを与え、生後7週目から13週目まで発がん物質を与えた。この間も、高ゲニステイン給餌は継続している。その後、発がん物質を全く与えていない同週齢の仔ラットと比較した。その結果、普通の仔ラットたちはもちろん、発がん物質に暴露されていた「大豆ダイエット」中の仔ラットたちにも異常が認められなかったのだ。

 研究者は、「ゲニステインが発がん物質への暴露で生じる前がん状態を40%減らし、異常なWntネットワークを正常な状態に引き戻した」としている。ゲニステインでWntの異常をリセットできる可能性が示唆されたわけだ。

 少し古いが国際連合食料農業機関の調査(2007年)によれば、1人1日当たりの大豆消費カロリー第1位は日本。毎日、約100キロカロリー、豆腐3分の2丁分を食べている。次いで韓国、北朝鮮、コスタリカ、中国と続き、米国はゼロだった。食生活の欧米化が指摘されるとはいえ、まだまだ大豆は身近な存在らしい。

 現代社会に暮らしていれば、微量な発がん物質に暴露されるのは避けられない。となれば、大豆で発がんにつながる異常を日々リセットし続けるのも一案である。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)

週刊ダイヤモンド

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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