動き出す電力システム改革
【第3回】 2013年9月27日
著者・コラム紹介
瀧口信一郎[日本総合研究所創発戦略センター シニア・マネジャー]
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『電力システム改革の本質』【前編】
凝り固まった権限構造をどう分散・再構築するか
――瀧口信一郎・日本総合研究所創発戦略センター シニア・マネジャー

 広域機関は、電力システム改革の先駆けとなる取り組みであり、地域独占体制から地域間の電力システムへの移行を行うことを目的とする。その際、広域機関の設立に当たって強大な権限をいかに適切にガバナンスするか、という問題認識を欠くことがあれば、地域独占に代わる新たな強権を生み出すことにつながる。送電運用に関する知見が電力会社に集中している現状を考えると、それは単に、電力会社から広域機関への独占的な権力の移動に過ぎない。

 現状では、権限構造に焦点をあてた組織作りの方針が明確にされていない。地域独占の電力会社に集中していた権限を広域機関中心の体制にいかに移行するかを提示しなければ、新たな電力システムのための制度設計を行ったとは言えないはずだ。

 後編では、電力自由化を1998年に行なったドイツの事例を取り上げる。

 電力自由化後に電気料金はどのように変化したか、電力市場に新たに参入した企業のうち、どのような会社が生き残ったか、また消費者はどのような事業者を支持したのか――。

 これらを追求していくと、ドイツでは地域に根ざした地域インフラサービス会社「シュタットベルケ」が大きな役割を果たしている事が分かってきた。シュタットベルケの生い立ちと発展の歴史は、これから日本の電力市場で起こることを見通す際のヒントとなるものだ。

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動き出す電力システム改革

2013年7月の参院選で自民党が大勝し、衆参のねじれが解消され、自民党政権は基盤を盤石なものにした。これによってまず、一気に進むと見られるのは電気事業法の改正だ。震災以降、課題であった発送電分離や電力事業への新規参入が進むと見られる。8月初旬からは制度設計ワーキンググループでの協議が始まった。電力システム改革には、どのような課題があるのだろうか。また、電力業界や他の産業界、一般消費者にどのような変化をもたらすのだろうか。

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