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『空気人形』是枝裕和監督×ARATA インタビュー

【第8回】 2009年9月25日
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「初めて真正面から
ラブストーリーを描いてみました」

 持ってはいけない心を持ってしまった人形──誰かの代用品として作られた空気で膨らます安物の人形が、人を愛することで心の痛みや空虚さを知る姿を綴った、是枝裕和監督の『空気人形』。これまで、親に置き去られた子どもたちを描いた『誰も知らない』、反発し合う父子のぎこちない関係を描いた『歩いても 歩いても』などの作品で、人間の悲しさ、滑稽さを描き続けてきた是枝監督が、この作品で初めて、真正面からラブストーリーに取り組み、「愛」の意味について問いかけた。

 海外でも高く評価される是枝監督と、主人公が恋する男性を演じたARATAに、『空気人形』について語ってもらった。

是枝裕和とARATA
是枝裕和/左 1962年生まれ、東京都出身。テレビ番組制作を経て、『幻の光』(95)で監督デビュー。ヴェネチア国際映画祭で金のオゼッラ賞を受賞。『誰も知らない』(04)では、主演の柳楽優弥がカンヌ国際映画祭で映画祭史上最年少で最優秀男優賞を受賞。他に『ワンダフルライフ』(98)、『歩いても 歩いても』(08)などを監督。
ARATA/右 1974年生まれ、東京都出身。是枝裕和監督の『ワンダフルライフ』で映画デビュー、初主演を務めた。その他、若松孝二監督作『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(08)、蜷川幸雄監督作『蛇にピアス』(08)、堤幸彦監督作『20世紀少年 1~3』(08~09)などに出演。岩松了演出の舞台『マレーヒルの幻影』(2009年12月5日~27日、下北沢本多劇場にて)にも出演。

──カンヌ国際映画祭「ある視点部門」に出品されて、お二人も映画祭に出席され、上映時にはスタンディングオベーションで迎えられましたが、カンヌでの高い評判についての感想は?

是枝裕和:人形が主人公なので、もっとサブカル的な見方をされてしまうかと思っていたのですが、それを乗り越えた上で、現代の都市生活者の孤独について描いた映画なのだと受け止めてくれる人が多く、ホッとしました。それから、国境と文化を越え、主演のペ・ドゥナのキュートさチャーミングさが伝わったので良かったな、と。僕が独りよがりで良いと思っていただけじゃないんだということが分かり、ホッとしました(笑)。

──監督は元々、ペ・ドゥナさんのファンだったそうですが、撮影中に「なんてチャーミングなんだ!」と痛感したのは、どんな部分ですか?

是枝:何から何までですね(笑)。監督が主演女優をこんなに褒めてどうなんだと思われるかもしれませんが、べた褒めしてもウソにならないくらい、現場でもみんなから愛されていました。

──これまで、ファンだったからキャスティングした俳優さんはいますか?

是枝:嫌いでキャスティングした人はいません(笑)。でも、ファンだからキャスティングしましたって、あんまり自慢して言うことでもないかと……(苦笑)。ただ、彼女はカンヌでも大人気でしたね。

ARATA:彼女は、とてもプロ意識が高い女優さん。それからユーモアのセンスもある。神経質になるようなシーンの撮影時に、さらっとしたユーモアを言えるところも魅力的ですよね。

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