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「物価高騰」が招く長期金利上昇が現役世代をさらに圧迫!

2008年6月6日
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 長期金利の上昇が続くなか、巷に不安が蔓延している。

 「ただでさえ苦しい資金繰りがますます厳しくなる」という企業関係者や、「ローンを抱えているので家計が破綻しないか心配」という主婦まで、不安の声は日に日に強まるばかりだ。なまじ目に見えない経済要因だけに、「金利が上昇すれば悪いことが起きるに違いない」と、漠然とした不安を抱えている人も多いだろう。

 長期金利の代表的な指標とされているのは、「新発10年物国債利回り」である。この利回り、今年3月までは1.2%台まで低下していたが、4月から反転してみるみる急上昇。6月頭には、昨夏以来の高水準となる1.7~1.8%に達した。

最大の要因は「インフレ見通し」
世界的な長期金利の急上昇

 いったい、ここに来てなぜ長期金利が急上昇しているのか。

 「その背景には、サブプライムショックに端を発する信用不安の後退と、世界的なインフレ見通しが横たわっている」と指摘するのは、金利動向に詳しい矢嶋康次・ニッセイ基礎研究所経済調査部主任研究員だ。

 米国を震源地とする世界的な金融不安が勃発した昨秋以降、低迷する株式市場からは大量の資金が逃避し、比較的安全な債券市場に流入。その結果、債券相場が値上がりして長期金利は下落し続けた。だが、金融当局による緊急利下げや金融機関救済措置などが功を奏し、ここに来て金融市場はようやく落ち着きを取り戻しつつある。

 そこで、投資家の資金が株式市場へ回帰し始め、債券相場が値下がりした結果、長期金利が上昇しているのだ。

 そのトレンドに拍車をかけているのが、世界的な「インフレ見通し」である。実は、今回の長期金利上昇、債券相場の変動よりも物価高に起因するところが大きい。留まることを知らない原油・食糧価格の高騰により、「今後、インフレ圧力を無視できなくなった中央銀行がこぞって利上げに動く」という観測が広まって、ますます債券売りが進んだ。

 中央銀行による金融政策の影響を強く受ける短期金利と違い、長期資金需要者の市場見通しに左右されがちな長期金利ならではの現象である。

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